ゲーム内広告の可否 | 不況になると口紅が売れる

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 テレビの広告効果が希薄化しているのではないか、という危惧が広まっている。「CM飛ばし」録画もさることながら、パソコンやゲームに「客」を奪われているのも事実だ。

 その結果、ゲームの中に広告を入れてしまったらどうか、という「ゲーム内広告」に注目が集まってきている。プロダクトプレースメントという面では、映画やテレビ番組タイアップと同じビジネスモデルであるが、米国内の調査(2005)によれば、ゲーム挿入の方が高い効果が見られたという。

 大半の広告会社や軽薄な宣伝部だとかは、こうした数値結果に過剰反応してしまう。しかしゲーム内広告については、ユーザーの「のめりこみ度」との関係で、その効果をもう少し調べなければならないと思っている。


 先日発表されたコンピュータエンターテインメント協会の調査(2006)によると、ゲーム内広告の視認経験は8%だという。http://report.cesa.or.jp/press/p070420.html

 一方、2006年東京ゲームショウの来場者アンケートでは17%という結果が出ている。むろん調査対象が異なるから数値に差が出るのは仕方がない。しかし、この数値の高低を議論する以前に、ゲーム内広告の視認率を問うことそのものの難しさを指摘したい。

 ゲーム内広告というのは、例えば「パワプロ」に登場する球場の看板が広告スペースになっている、といったものだが、果たしてこうした看板を、ユーザーが広告と意識するかどうかは、微妙である。「セカンドライフ」にしても同様だ。バーチャルな表現世界に自然に溶け込んでいるだけに、それが「広告」と意識されない可能性もある。ただこれは、広告主にとって果たして得か損か? ここが微妙なところである。


 ネットゲーム内で、特定企業のブランドを印象付ける衣装(コンビニの店員とか、宅配便のユニフォームなど)をアバター用に販売するなどといったタイアップ方法も実験的に導入されつつある。ただし、ゲーム内でクーポンを発券し、それを実際の店舗でも使用できるなど、ユーザーにとってもメリットのある形でのタイアップである。


 つまり、「リアルのバーチャル化による広告「と、「ゲーム内広告ならではの広告」とは分けて考えるべきだろう。広告効果も異なる。前者はリーチ型、後者は販促や好感度形成に直結する。ただし後者はそれなりの費用もかかるし、リーチの広がりは期待できない。

 してみると、ゲーム内広告の効果を議論する際に、テレビ広告の効果測定をモデルにしてはならないのかも知れない。