これまではマーケティング・マネジメントという考え方が主流であった。いわゆるコトラー流マーケティングり流れを汲む、言ってみればマーケティングの王道である。
個人的には昔からこいつが嫌いで、きな臭い・うそ臭いと思っていたが、やはりその直感は正しかったと思う。
今日の消費者アプローチとは、的を射たり、管理したり、誘導したり…というものではない。消費者行動を支援する、環境を整える、話のネタを提示する、議論を促進する…といった「日陰のコーディネーター」の役割が重視されている。「ブランド」とは消費者の心の中に芽生えた幻想であり、その幻想を遊ぶことが消費行動だとするなら、企業の立ち位置とは、そうした消費者行動を自立させ、促進させる役回りになってくるだろう。
これは言い換えると「ファシリテーター」の役割ということになる。
リーダー(先導者)、マネージャー(管理者)、インストラクター(指導者)、インタープリター(観察者)といった存在とは異なり、コンテンツには介在せず、プレイヤーのパフォーマンスを最大化する立場の人を指す。ワークショップの進行役だけでなく、テレビ番組の司会者や、TRPGのゲームマスターなどがその典型といえるだろう。
もちろん全ての消費者コミュニケーションのフェーズにおいて、ファシリテーションを行えばよいというわけでもないが、リードユーザーやイノベータといわれる層、優良顧客と位置づけている層に対しての接し方は、基本的にこうしたスタンスに立つべきと考える。