自社の競合は、誰なのか? それは企業が決めるものではなく、消費者自身が何かをしようとしたときに頭に浮かんだ選択肢の束が競合のすべてです。
そして、自社の商品をどう定義(コンセプト)するかで競合相手が変わってきます。その例として、今日の朝日新聞の朝刊に出ていた、新潮文庫の広告を紹介します。
本を開けば、夏がはじまる。
この夏 あなたにどんな出会いが待っているだろう。海で、山で、とおい異国の空の下で。生涯の友。ひと夏の恋。忘れられない風の匂い。ここに「本」という旅先があります。電車や飛行機を乗りつがなくても、見たこともない景色がひろがっている。運命や奇跡にたよらなくても、燃えるような恋や、永遠の友情が、こころに訪れる。新潮文庫の棚には、あなたの夏をもっと彩り豊かにする、たくさんの「感情」たちがあふれています。今年も「キュンタ」と本屋さんでお待ちしています。
この感情は何だろう。新潮文庫の100冊
通常、本の競争相手はテレビや映画と思いがちですが、この広告はそれが旅行にまで広がっています。
確かに、本を時間を消費するための商品としてとらえれば、旅行はもちろんのこと、友だちとのスマホの会話、レストランでの家族の食事、スーパー銭湯の湯ったり時間、すべて競合に入ってきます。
要は、消費者はどんな時間、体験、コトが欲しいか、なのですが、本をこのように定義した(価値を創出した)コピーライターの資質は中々のもので、従来のマーケティングのリサーチからは出てこないでしょう。
千人の意見よりも一人の発想の時代。クリエーティブとは本来そういうものです。
