商品の魅力的な二つの顏 | 産廃診断書専門の中小企業診断士

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ふじのくにコンサルティング® 杉本剛敏 中小企業診断士事務所の杉本です。私はコピーライターとしてネーミングやコピーを作る一方で、中小企業診断士として企業のマーケティングを支援。2021年、2016年に静岡新聞広告賞受賞。これまでに提案した企画書は500を超えます。


商品づくりを行う上で考えるべき2つのベネフィットとして、機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットがあります。このベネフィットとは恩恵のことで、「消費者に与えるメリット」と考えればいいでしょう。

 

まず、機能的ベネフィットとは、目に見える形で受け取れるメリットのことで、たとえば車なら燃費がよくガソリン代を節約できる。スピードが出て短時間で目的地に行けるなです。一方の情緒的ベネフィットはデザインがかっこよくて乗っていて気分がいい。じぶんのセンスを表現できる。など精神的な満足を満たすもの。車というよりファッションやアクセサリーに近いフェラーリやポルシェはこの類で、スピードだけを求めて買うのではないでしょう。

 

機能的価値=機能やスペックの価値

情緒的価値=気持ちや感性の価値

 

これはマーケティングの本を読めば必ず載っていることで、わざわざ取り上げることもないのですが、先日、コカコーラのマーケティングについての興味深い記事を目にしました。

 

コカコーラの機能的ベネフィット、ここではintrinsic  value(本来備わった、固有の価値)といっていますが、それは「のどの渇きをいやし、爽やかにする」であり、これは100年以上変わらないそうです。一方の、情緒的価値、ここではextrinsic  value(外部の価値)と呼んでいますが、「気分を爽やかにし、前向きにする」ことだそうです。

 

ただ、extrinsic(外部の)という言葉が示すとおり、この情緒的価値は外から持ってくるものだそうです。これは、つまり、時代に合わせてその表現を変えているということであり、言われてみればコカコーラのコマーシャルは「気分を爽やかにし、前向きにする」ことの意味を時代に合わせて変え続けてきました。

 

そんなクリエーティブを生み出す時に求められるのが、時代の気分の発見、消費者インサイト(本音)の気づき。いわば、心が動かされる価値の創出です。

 

それができるからこそ、百年以上変わらない味でありながら(一度変えましたが不評だったため元に戻しそうです)、常に新鮮なイメージを持ち続けていられるのでしょう。