小説の続き書きました。新版・遠いデザイン2-5 | 産廃診断書専門の中小企業診断士

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ふじのくにコンサルティング® 杉本剛敏 中小企業診断士事務所の杉本です。私はコピーライターとしてネーミングやコピーを作る一方で、中小企業診断士として企業のマーケティングを支援。2021年、2016年に静岡新聞広告賞受賞。これまでに提案した企画書は500を超えます。

新版・遠いデザイン2-5

 

2001年 冬

 

「いや、てっきり、もうどこかで経験してたと思ってさ。とにかくグッドよ、グッド。午後もその調子でお願いよ」

女につかみどころのないものを感じたのか、小田嶋の語尾が尻すぼみになる。モデルは顔を動かし、カメラのレンズが窄まるように、今度は七瀬の目に焦点を合わせた。

「モデルの経験なんてひと月もないわ。一日がかりの撮影だって、今日が初めてなんだから。でも、そう、シカケね。なぜ、そう言われるのか、わかる気がする…」

「どうしてなのさ?」

 小田嶋が問い返す。

「私は、もともと双子だったの。でも、幼いときに、その片割れ、そう、姉を亡くしたのね」

 七瀬も小田嶋も一瞬、意味がわからず口を閉ざした。撮影のことを気づかって、小田嶋がこの風変わりな女を好意的に受け入れようとしているはわかっていたが、二人とも女との接点を見つけられずにいる。

「水死したのよ。近くの川で溺れたの……。発見されたときには、水の底に沈んでいて……」

 ランチが運ばれてきた。女はナイフとフォークを手にしながらも、その奇妙な話を止めなかった。

「でも、その時の記憶って、ぜんぜん、ないのよ。姉がどんな顔で、どんな性格だったとか」

「幼すぎて、覚えていなかったんだろう?」

七瀬が無難にまとめる。

「その姉きの、片割れとやらが生きていれば、双子の美人モデルってことで、評判とれたかも」

 

 

遠いデザインとは、遺伝子の設計図のこと。

 

15年前の2001年が舞台。

中年男が若い女性に憧れる、よくあるテーマの小説。

この歳になると。そんなことしか書けませんので…。

地域の産業支援を本格的にやりだしてから、

コピーを前みたいに書けなくなったので、

その手慰みのつもりで書いています。