小説の続き書きました。新版・遠いデザイン2-1 | 産廃診断書専門の中小企業診断士

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ふじのくにコンサルティング® 杉本剛敏 中小企業診断士事務所の杉本です。私はコピーライターとしてネーミングやコピーを作る一方で、中小企業診断士として企業のマーケティングを支援。2021年、2016年に静岡新聞広告賞受賞。これまでに提案した企画書は500を超えます。

新版・遠いデザイン2-1

 

2001年 冬

 

 海にこそ面していないが、披露宴で屋外ステージとして使えるフラワーガーデンがあるバンケットルーム。一ヶ月前にロケハンした時にはまだ構造材が剥き出しだった室内が、この短期間できれいに化粧が整えられているのを見ると、七瀬は、細末とはいえ、この国の経済活動の一つの昇華を見る思いがする。朝着のスタッフたちの手を借りて、重くかさばる撮影用機材を会場に運び終えた小田嶋が、早速、カメラのセッティングに取りかかっている。

「季節の収穫祭」をテーマにコーディネートされた卓上には、テーマカラーで統一された花々のほかにブドウやプラムなどの果実が添えられ、スタイリストがカメラアングルに合わせて微妙な位置合わせをしていく。邸宅風を意識して深みのある板材を張り巡らせた壁の前では、カメラアシスタントが小田嶋の指示に合わせてデフ板を左右に振っている。時折焚かれる露出計の瞬光が室内に氾濫する色を瞬時に奪い去っていく。

 しばらくしてモデルがマネージャーに付き添われて会場に現れた。純白のウエディングドレスを身にまとい、ラフにボリューム感を出したヘアトップにはドレスと同色のティアラが光っている。卵形の小さな顔と透明感のある白い肌、切れ長の一重の目が、かえってはっきりとした印象を女の顔に与えていた。

 モデルの女は、大きな窓からの逆光に細身のシルエットを焼き付かせるように一度立ち止まり、またゆっくりとステージの方へと歩き出す。細長い指でドレスの前を持ち上げながら、ぎこちない足どりでスポットライトの輪の中に入っていく。それは機敏に立ち働いているこの場のスタッフたちとは無縁のように緩慢だった。

スタッフたちは一斉に手を止めてモデルの動きを目で追った。小田嶋も一瞬、敵意を含んだような視線を投げたが、すぐに思い直したように小さく四角形に切り取られた孤高の窓―ファインダーへと目を埋めた。そしてモデルを最初の立ち位置へと促した。

 

 

遠いデザインとは、遺伝子の設計図のこと。

 

15年前の2001年が舞台。

中年男が若い女性に憧れる、よくあるテーマの小説。

この歳になると。そんなことしか書けませんので…。

地域の産業支援を本格的にやりだしてから、

コピーを前みたいに書けなくなったので、

その手慰みのつもりで書いています。