前回(4-4)の続き
JAにはどう話がいっていたんだろう。今まで通されたこともなかった来客用会議室にはすでに部会長たちが顔を揃えていた。彼らは、七瀬が面食らいながらも手渡す見積書を手にした先から広げはじめる。
外注である自分には金額に関する権限は一切ない、そうはっきりと明言した上で、この席で出た要望を三谷にバックすると伝えるしかない。七瀬は、同席した亮子を目の端に留めながらそう腹を括った。
「うちの部は、売り上げからもいっても、まあ、総額の十%がいいところでしょう」
「ここはひとつ、柑橘部さんにがんばってもらいましょうか。なんていったって、花形商品いっぱい抱えてますからなぁ。ハッハッハッ」
柑橘、花卉、野菜、製茶、米穀と、格幅はいいが、どこか緊張感を感じさせない部会長たちの話は、すぐにこのプロジェクト費の賦課金の駆け引きに変り、七瀬を傍観者の立場へ追いやった。
あらためて見積書を眺めてみると、そこには一目瞭然、上乗せられた数字が並んでいた。デザインやコピー、撮影などの制作費、印刷代、web関連の費用を加えた総額は軽く二千万を超えていたが、部会長たちは、広告の実勢価格というものをまるで知らないのか、誰も値切ろうとする気配すら見せない。
遠いデザインとは、DNAの設計図のこと。
10年ほど前の2001年が舞台。
中年男が若い女性に憧れる、よくあるテーマの小説。
この歳になると。そんなことしか書けませんので…。
地域の産業支援を本格的にやりだしてから、
コピーを前みたいに書けなくなったので、
その手慰みのつもりで書いています。