差別化の落とし穴 | 産廃診断書専門の中小企業診断士

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ふじのくにコンサルティング® 杉本剛敏 中小企業診断士事務所の杉本です。私はコピーライターとしてネーミングやコピーを作る一方で、中小企業診断士として企業のマーケティングを支援。2021年、2016年に静岡新聞広告賞受賞。これまでに提案した企画書は500を超えます。

「脂っぽい料理に黒豆のちから」という即席みそ汁が永谷園から発売されました。黒豆味噌を使用し、1杯で黒豆約43粒分のポリフェノールが摂取できるというふれこみ。キャッチフレーズも「お父さんに思いやりのみそ汁」とし、徹底して健康機能をたっています。

もちろん商品の差別化は必要ですが、ただ機能性を重視しすぎるマーケティングは、潜在需要をとりこぼす恐れがあるとの専門家の声も。それを考えた場合、「さっぱりとした新しい味のみそ汁」というポジショニングもあるというわけです。

つ まり何がすぐれているのか(差別化)をいうのではなく、何が新しいか(カテゴリー)をいえということです。でも、どちらがいいか、はっきりいってわかりま せん。リサーチが必要ですが、たぶん、購入対象者を集めてディスカッション方式で商品についての意見や感想を聞くフォーカスグループインタビューでは答え が見えてこないでしょう。この場合、まとまった量のデータが集められるアンケート調査方が適しています。そこで、消費者に2つ のコンセプトを提示し、どちらを支持するかを見るとともに、買うと答えた人に、なぜ、買うか? 買わないと答えた人、なぜ、買わないのか? その理由まで 掘り下げて問うのがいいでしょう。当然、永谷園さんも商品開発に伴いマーケットリサーチを行っていると思いますが・・・。

ターゲットを絞り健康機能による差別化か? 黒豆みそ汁という新しいカテゴリーの創出か? さて、あなたが経営者だったらどちらの戦略を採りますか。

 


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永谷園の即席みそ汁「脂っぽい料理に黒豆のちから」