先日開催された「加賀海浜産業道路手取川架橋区起工式」会場の東側約800mの地点で、「北陸新幹線手取川橋梁」の工事が行われている。現在、東京から金沢まで開業している北陸新幹線は、2023年度末の敦賀延伸開業を目途に工事が進められており、手取川橋梁も急ピッチで進められている。

 

北陸新幹線には、東海道新幹線の代替機能としての役割があり、敦賀開業に留まらず大阪までフル規格での早期開業が急務であるのだが、敦賀以西のルートが未決定であることが着工を遅らせている最大の要因。

 

このほど、国土交通省が候補となる敦賀以西ルートの調査結果を公表した。これに因ると、費用対効果と工期は「米原」、所要時間は「小浜・京都」となる。

 

ルート決定を進める上で、もう一つ重要な観点は、金沢-大阪を結ぶ特急サンダーバード(24往復/日)と金沢-米原・名古屋を結ぶ特急しらさぎ(16往復/日)が、新幹線敦賀開業と共に、全て敦賀駅止まりになってしまうこと。これまでは、乗り換えなしで行き来できたのに、加えて現在の構想では敦賀駅の新幹線と在来線ホームとの距離が長く乗り換えの利便性が悪いためJRの利用者が減り、北陸と関西圏・中京圏との交流人口の縮小が懸念され、敦賀以西を早期に開業しないと双方に大きなダメージとなる。

 

ルート案の審議は、有識者からの意見聴衆などを経て、与党プロジェクトチームで進められ、今年末には決定する。