震災から3か月、今も約4700人が避難生活を強いられている熊本県。県民の象徴でもある熊本城、倒壊被害が多い益城町、震央に近い嘉島町、知人が住む合志市、石川県からの派遣職員が駐在する熊本市北区役所などを訪ね、被災時の状況や現状などを視察した。
「熊本で地震が起きるなんて...」と誰もが口を揃え、台風や豪雨に備え瓦屋根を重厚にしたことが、倒壊被害が多発した要因と聴く。耐震補強がされていない公共建築物も多く、再発する地震に対し避難所を公園などの屋外に設けることが強いられたとの事情にも触れた。
地震に見舞われた市・町の長や職員のご心労が見えてくる。自宅や家族が被害を受けながら、住民の安全確保に奔走し、庁舎で10日間過ごしたとの話を聞いた。
現在も全国の自治体などから職員が派遣されるなか、東海地方のある県から派遣される職員数が多くスキルも高いと伝えられ、その職員のお一人に話を伺うと「南海トラフ地震が発生した場合、自身たちが経験を積むことで自県被災時に役立つ」と教えてくれた。
現場を訪ねたことで多くのことを学んだ今回の視察、一日も早い復興を念じ、郷土の防災・減災に活かしていきたい。