霊峰白山を背に広がる扇状地へ、手取川の清流を灌漑(かんがい)するために設けられた「白山頭首工」。その受益面積は県内5市1町、約7,400haに及び、取水量は最大で約56m3/Sである。


白山頭首工は、昭和12年に手取川の水を水力発電に利用するための「せき」を築いたのが始まりで、昭和24年に「せき」を50cm嵩上げし農業用水を取水する現在の機能となり、造成後70年以上が経過。劣化が激しかったため昨年より改良工事が進められ、昨日開催された「手取川かんがい排水事業協議会総会」で、1期工事となる左岸固定堰・魚道の進捗状況が報告された。


その手取川が、茶色く濁っている。手取川上流部で発生した高さ約300m、幅約150mに及ぶ土砂崩れが原因と地元新聞等で報道されている。崩落現場は、白山頂上部に近く道路も無い難所。作業者や重機はヘリコプターでしか運搬する方法しかないなか現状では着陸が難しいらしく、現段階では具体的な対策が見い出せていない。その被害は手取川流域地域の農作物・川魚、そして手取川の水が注ぐ日本海の漁業への広がりも危惧されている。


改修中の白山頭首工に流れる水も、近所を流れる河川や用水も茶色く濁っている。自然の驚異を改めて思い知らされ、被害を最小限に留める施策が一日も早く具現化されることを願うばかりである。


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