インスリン療法バイブル。 | IDDM(一型糖尿病)・ipocoの暮らし

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こんにちは。ipocoです。

今日は、一型糖尿病について詳しく述べられた本を一冊、紹介しようと思います。



1型糖尿病の治療マニュアル (単行本)
丸山 太郎/丸山千寿子 著


です。
糖尿病の名医として有名な、丸山先生の本です。


この本は、私にカーボカウントを指導してくださった栄養士さんが持っていたものです。私が質問するたびに、彼女はこの本を開いて調べたり、一部をコピーして下さったりしました。

また、栄養士さんの他にも、看護師さんで持っている人も何人か見ましたので、医療スタッフの方が現場で参考にしている本のようです。

と言っても、医学的な難しい専門用語ばかりが書いてある訳ではなくて、私たち一般の患者が読んでも大変わかりやすいように書いてあります。


ネットで探してみたところ、一冊が3000円程度と安くはありませんでした。が、日本でも屈指の糖尿病名医と言われる先生の本ですから、信用のおける情報源と内容の濃さという点で見れば、決して高くはないと思います。

病院の待合室の棚に置いてある、「シックデイの過ごし方」「糖尿病の合併症とは」などの、ほぼ2型患者さん向けに書かれているパンフレットのような、浅く広い内容とは異なります。これはインスリン注射をしている人のための、日常生活での具体的な治療のやり方が書いてある、スゴイ本なのです。


今回はこの本に書いてある、私が「おお~!」と思った「残存インスリン」の話を紹介します。


残存インスリンと言うのは、読んで字のごとく、超速攻型インスリンを注射してから、完全に消費されるまでの間に、体内に残っているインスリンことです。この本によると、注射してから大体3~4時間かけて、1時間に注射した量のおよそ30%ずつ消費されて行くと説明されています。

この理屈を利用して、例えばこんな難しい場面でも、何単位打てば良いかを計算で求めることができるのです。

条件1.昼食前に高血糖だったので、昼食のカーボの他、血糖値の補正インスリンを追加して打ってある。
条件2.食後2時間のときに、おやつを食べようとしている。
条件3.おやつを食べる前に血糖値を測ったら高血糖だった。
条件4.昼食前に打った残存インスリンの量を考慮したうえで、今の高血糖を補正しておやつを食べるためには何単位打ったら良いか。

という、聞いただけで複雑な状況なうえに、高血糖なのにおやつ食べるんですか…という感じなのですが、この計算方法が実にわかりやすく説明されていました。


私は普段の生活で、これまでにも何度となくこういう場面があったのですが、何となく感覚や経験から「この位だろう」とやっていた部分がありました。

しかし、カーボカウントと残存インスリンという二つの考え方を取り入れたこの本の説明で、ようやくその感覚を理論的に整理できました。


本のタイトルは「一型糖尿病の~」となっていますが、カーボカウントを駆使してインスリン注射もしているDM患者さんならば役に立つこと間違いなしです。

もっと詳しく読んでみたいので、購入を検討中です。




余談ですが…

かなり前の事なのですが、おそらく著者の丸山太郎先生と思われる人物に一度、DM患者さんの交流会(河原のバーベキュー)でお会いした事があります。

そこでは、皆さんがそれぞれバーベキュー大会を満喫していらっしゃったのを覚えています。何というか、非常にリラックスした感じでした。

DMを知らない普通の知人とのバーベキュー大会も勿論楽しいものですが、普通は自分だけ少し人目を避けた場所に行って注射をすることになります。それが私の日常です。

でも、患者さんの交流会に行くとDMの人ばかりですから、「食事だよ!」というと、その場で皆さんが一斉に注射を始めます。各自思い思いにその辺に腰掛けて注射したり、ピクニックテーブルの上に注射器や消毒綿などを広げる即席注射エリアができたりします。私は、普段注射のときに人目を避けていることに、実は結構緊張したりストレスを感じていた事に、その時初めて気がついたのでした。


ピクニックによい爽やかな季節になりましたので、交流会へのお誘いを頂いてどうしようかな?と悩んでいる方は、ぜひ参加して、いつもと違う雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。



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