そんなこと、全く知らなかった。その事実に安堵する反面、そこまで信用されていなかったのか、何だか拒まれているように感じて悲しかった。でも仕方ない。嫉妬に駆られて、あんなひどいことをする男、誰が信じられるものか。
とにかく今日は平日だ。俺は会社、彼女もバイトがある。でも休むつもりだ。彼女はきっと動けないだろうし、ここに放置するわけにはいかない。許してもらえるとは思っていないが、出来ることはしてあげたい。
「俺に触れられるのは嫌かもしれないけど、お風呂に入って身体を綺麗にしよう? 気持ち悪いだろう?」
「えっ……あの、平気です……。慎也さん、今日会社ですよね? 時間が……」
「会社なんてどうでもいい」
そう言い放つ俺に、彼女は激怒した。ラバーブーツ
「駄目です! 管理職が何言ってるんですか! わたしは一人で平気ですから、会社、行ってください」
「でも……」
「早く!」
あまりの剣幕に負けたが、このままここに放置はできない。
「……わかった。でもこのまま、ここには置いておけない。だから俺の家に一緒に行こう。一度着替えに戻らなきゃいけないし、ラナも着替えがいるよね。気が済むまで休んでくれて構わないから」
彼女は頷いた。全く動けない彼女の身体をきれいに拭き、服を着せて抱き上げた。俺に触れられたその身体はずっと硬直している。その様子に悲しさが込み上げる。
それからタクシーで俺の家へ向かった。家に到着し、再び抱き上げてベッドにそっと下した。風呂に入れようとしたが、それは拒否された。仕方なく一人でシャワーを浴び、着替えた俺は寝室で横になる彼女に声をかけた。
「……じゃあ行ってくるから。もし何かあったらすぐに連絡して。いいね?」
そう念を押せばこくりと頷く。それを確認して家を出た。
一日中ラナのことが気になって仕方がなかったが、何とかいつも通り仕事を終え、帰宅した。もしかしたらいつものように笑顔で出迎えてくれるのではないかと期待したが、家は真っ暗で、彼女の姿はどこにもなかった。居るはずがない。当たり前だ。電気もつけずにソファーに座り、前かがみにうなだれた。
もう、どうしたらいいのかわからない。俺はこのまま彼女を失ってしまうのだろうか……。
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暗すぎてごめんなさい。
これってR15でセーフ……? だといいな。
アウトだったらどうしよう!!まだまだ鮫島は急降下していきます。
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一難去らずに クロックス レインブーツ
翌日、ラナからメールがあった。
『 慎也さんへ
昨日は勝手に帰ってごめんなさい。でももう大丈夫です。
一昨日の夜のことは気にしていません。だから慎也さんも気にしないでください。
だけど、まだ顔を合わせるのはちょっとつらいので、しばらく距離を置きたいです。
わがまま言ってごめんなさい。
あの人は本当にただの知り合いで、それ以上の関係はありません。
それから、わたしはどんな慎也さんでも大好きです。
これだけはちゃんと言っておきたかったんです。
ラナ 』
連絡をくれるとは思ってもおらず、嬉しかった。
しかし俺はあれから電話はもちろんのこと、メールの返信すらできずにいる。本当に大丈夫なのか心配だったが、やはりあわせる顔がない。もし次に顔を合わせるときに、怯えた目で俺を見るのではないか。『気にしていない、大好き』とは言っているものの、こんな狂気を抱える俺に愛想を尽かし、あの男のところへ行くために別れを告げるのではないか。そう思うと不安でいっぱいだった。
あの男への嫉妬を彼女にぶつけるなんて間違いを犯した俺のことを、責めずに歩み寄ろうとしてくれるなんて……。もっと怒ってくれればいいのに。お人よしもいいところだ。
携帯を手にしては、ため息をついてそれを投げ捨てる。http://www.beefjp.com/ umbrella 傘
私生活の不安を隠し、俺はいつも通りに仕事をこなすことに専念した。平静を装い、何でも嗅ぎ付ける設楽さえもどうにか欺く。
仕事中はまだいい。しかし一人になると精神的にボロボロだった。後悔ばかりだ。離婚のとき以上に堪えている。酒に逃げようにも、ちっとも酔いが回ってこない。
ところが仕事でも厄介な問題が起きた。とある大手他社と