サプライズ好きの彼女の誕生日。
それも、今年は特別な演出を考えている。
なぜなら、来年、結婚しようとふたりで決めているから。
次の誕生日には、"ファミリーネーム"も俺と同じに変わっているハズ。
誕生日のサプライズ...彼女は、どんな想像をしているのだろうか?プレゼントは?
ただ、サプライズとはいいことばかりとは限らない。"驚くようなこと"その意味をどう解釈するかで変わる。
彼女の誕生日を祝うのは、3度目。
サプライズは、誕生日以外にも記念日や諸々、年に2、3回は仕掛けている。
喜ぶ顔が見たいから、そして企むこと、そんな演出が好きだから。
今回は、かなりの驚く顔が期待できると思う。
自分がやつれてしまうほど、根を詰めて考えたプラン。凝り性が出過ぎてしまった。
そして、今回は、スペシャルゲストにもオファーを出した。
これは今回が初めてのことだ。
彼女には招待状を郵送した。
会場となる部屋は、"いつか来よう"と約束していた5つ星。
演出を具現化していく自分自身に酔っているのかもしれない。泥酔。まあいい。

オレが会場入りしたのはチェックインの15時、開始は19時。

準備は完璧。勢いをつけるためのシャンパンが空腹にしみる。体力温存のためにも少し眠ろう。
アラームを17時にセット。起きてからシャワーと身支度をする。
万全の状態。19時少し前、部屋のチャイムが鳴った。