その日々では何も感じなかった。
終わりが近づくにつれて、振り返ることが増えた。
もう会えない、話すこともなくなる。
なんでもなかった会話や、意味を持たない行動までが愛おしい。胸が苦しくなって。
時間が止まってほしい...しばらく忘れていたキモチに覆われる。
期限を延長する作戦...そんな幼稚なことも考える。
それは、正しいとは思えない。それでも、あと1日だけ、数時間でもいいからと。
あと少し、もう少しだけと。
想いとは裏腹に、止まるどころか時間は過ぎていくだけ。
伝える一言で状況は変わるかもしれない。
このあとも、また、会えて、話せるかもしれない。葛藤があった。
しかし、それを胸の奥の奥に閉じ込める。
そして思う。この先で会える。またきっと会える。
共有から学んだことを、大切にして生かすことが私が、今、やるべきこと。
滞在することも、伝えることも、違う気がする。
だから、初めと同じ。何も感じなかったように。
伝えるのは、次に会った時まで、大切に胸の奥に閉じ込めたままにしておこう。