友人が持ってくるトラブル系。
本人は、悲愴な表情、この世の終わり感を漂わせて...
相談される側にしてみると、"またか""そろそろ気付きなよ""懲りないね"と、後退り。
一報目は、そこまでではなかった。
前のめりで、迅速であり正確な判断が必要だと、皆が焦った。
リベンジポルノ。1度広がれば、根絶は不可能。
脅迫や恨み、嫌がらせの手口として利用される。
どうやら、男性が女性の映像を拡散させることが多い。
痛いところを突き、切り札チックなだけに、その卑劣感に、その人物の人格形成具合が見えて、ねっとりじめじめとした内面にドン引き。
いったところで仕方ない。
そいつは、友人とのエッチシーンから、彼女の全裸、ふたりのキスシーンを、3回にわけて、投稿するらしい。アホだろこいつ。
そんなことはしたくない...らしい。
会ってくれたら、ごはんを一緒して、買い物に付き合ってくれたら、目の前で画像はすべて消去する...らしい。んなわけない。
友人は、ハッキリ断るとかが苦手なタイプ。
ズルズルと、流されて言いなりになってしまう。
1度目のトラブルで、私たちはそれに気が付いた。
そのくせ、アプローチは積極的。
出合い系アプリのヘビーユーザー。
そりゃトラブるわ、声を掛けておいて断れないんだから。
相手のリクエスト通りに行動するんだから。
いつかはこの類も...警告したはずなのに。
解決に手を貸すし、全面協力するかわりに、私は言った。
"あんたみたいな貧乳、見た方が気の毒よ。"
"なんで、エッチしてるところを動画するかなぁ。"
"嫌とか、ダメとか、やめてとか言えないわけ!あんたが誘ってるように見えるのよ。"
結局、私は、少し怖い系の友人と罠を張った。
なにがなんでも、画像を消去させること、原本を破壊することがミッションだった。
待ち合わせから接触まで、このままふたりにしておけば、また、友人の新しい画像を更新してしまいそうで...
早めに処理することにした。

携帯画像、クラウドも、日付をチェックしながら、考えつくだけの画像破壊を試みた。

罠をはった友人は、気が短く、携帯まで破壊した。私は笑った。

相手の男性は、友人の破壊行為の数々を目の当たりにして凍りついていた。

もう、二度としないだろう。たぶん。

しかし、楽観もできない。単純ゆえの怖さだってある。