"そうなる"要素はあった。
"そうした"ことで最悪の結果になった。
知人から友人へ、友人から好意を持つ対象へ。
時間を経て、相手のことを、知りながら、解きながら、距離が近くなる。
好き...それは、まだ断言できない。
このキモチの正体は、何なのか?
好意を持っていることは確かで、他の人とは違う感覚があることにも気付いている。
小賢しさ、言い訳、理屈...
愛なのか、人としてなのか...
時間をかけて考えればいい。
頭ではなく、心に聞けばいい。
そう思っていた。
夕食に誘われて、至福のような2時間が過ぎた。ふたりで食事は3回目。
楽しいけど、どこかに警戒心があり、緊張する。
好意ある相手に対しては、それも仕方ない。
時間を掛ければいい、そのうちこわばる身体も和らぐだろう。
話題になった、洋楽のファイルが車にあるからと、車内へ。
すると、彼は、豹変した。
シートを倒し、馬乗り。手で私の口を塞いだ。
見開く目に映るのは、形相の違う彼。
抵抗しても、力は吸収され、次第に意識がなくなり、彼の顔にもモヤが掛かったようなる。
まだ壊れモノのように丁寧に、大切に扱っている段階で、彼から暴力を受けた。
気がついた時には、何が起きたか理解した。
震えが止まらない。早く、うちに帰りたかった。
いつまでも、そんな関係になれない彼は、薬を使ったと。
謝罪のメッセージが届く。
私は、あらゆることが、惨めで、悔しかった。
真逆の対応を考えた。
被害届けを出すと言った。
すると、行為の動画をばらまくとおどされた。
自分の人を見る目のなさを恨んだ。
真心を踏みにじられて、暴行を受け、脅される。
泣き寝入りもしたくない。
今、私に失うものもない。
ばら蒔けばいい。私は、被害届けを出した。