3月の話です。
十和さんの会社では4月から大きな部署移動などがあり、元カレは違う会社に行くことになりました。
それで3月の最後に部内のお別れ会があったようです。
その飲み会で元カレが、十和さんに
「お前は本当にそれでいいのか?幸せになれるのか?幸せになれないなら、俺が幸せにする」
みたいな感じで、問い詰められたみたいです。
そのとき、十和さんはふと、考えたみたいです。
婚約者は家事も凄い手伝ってくれるし、新築の素敵な部屋に住めてるし、毛穴から私のこと好きなんだなって分かるくらい、愛を感じてる。
結婚式だって凄くいい感じにできる予定だし、毎日を安定した気持ちで過ごせてる。
世間的に見ても、周りから見ても幸せなんだろうなって思うんだけど、いざ、そういう風に言われると自信がなくて、幸せだって言えなかった。
本当に、結婚して、将来に渡って幸せになれるのかな?って、自信をもって言えなかった。
素直に、幸せだって言い切れなかった。
そういう風に考えてしまったようです。
一緒に暮らし始めたばかりで、さらに間もなく籍を入れるということもあり、気持ちが不安定だったようです。
おそらく、世間で言うマリッジブルーというものに気持ちをやられているなかで、自己否定感の肯定の言葉を言われて、十和さんの不安感があおられてしまったのだと思います。
その話を聞いて、私は、十和さんにはマリッジブルーって、それだと思うよ。
そこは素直に幸せだって言っていいと思うよと、伝えました。
十和さんの気持ちは分からないけど、俺は毎日、幸せを感じてるよと。
ただ、元カレは未だに未練があるらしく、どうしても一緒に飲みに行きたいと言ってきたようです。
元カレも2月に父親が亡くなられたみたいで、精神的に結構キテる状況で、そこでさらなる環境変化を迎えるということもあり、ドン底のような状況だったと思います。
そういうことも踏まえて、これが最後で、十和さんの気持ちの再確認ということで、4月になって二人で飲みに行きました。
私としても、あまり行って欲しくはなかったですが、入籍するに当たり、後悔や、あのとき、自分の気持ちとは違うことをしてしまったなぁと感じてしまわれたりすることがあるのは嫌だったので、行ってきたらいいよと送り出しました。
ただ、元カレのためにも、中途半端なことは言わず、きっぱりと話をするのが彼のためにもなることだからと伝えました。
「父親を亡くし、仕事も変わり、状況的にも最悪な時期で、その時にそういうことを言うのは酷かもしれないけど、勝負をかけてきたのは彼なんだから、そういうことになるのは分かった上でのことだろうから、それにはきちんと回答してあげた方がいい。」と伝えました。
実際、最低な状況になるとは思いますが、最低な状況と言うのは、そこから上がっていくしかないので、心機一転、気持ちをリフレッシュして、新しいことに向かうための時期でもあると思ったので、そう伝えました。
そして、十和さんは元カレと飲みに行きました。
帰ってきたのは11時くらいでした。
何も無かったように、駅まで迎えに行き、おかえりなさいと声をかけました。
特に、何も聞かず、自分が食べたものとか、家でやっていたことを話しつつ、歩いて帰っていました。
すると、十和さんが
「私を選んだこと、間違ってない?というか、元カレと飲んできた人を駅まで迎えに来るって、選択間違ってない?」
と言ってきました。
私は
「だって、帰ってきたやん?」
「きちんとお別れを言ってきたんでしょ?」
と返事しました。
それには十和さんは黙ってうなずきました。
なので、私は
「そしたら、それでいいやん。」
と言って、何事もなかったように家に帰りました。
これで元カレの話は最後だと思います。
まぁ、未来のことは誰にも分からないので、何とも言えませんが。