【書籍情報】
TensorFlowとKerasで動かしながら学ぶディープラーニングの仕組み
中井 悦司
ISBN-13 : 978-4839970277
出版社 : マイナビ出版 (2019/11/28)

【概要・コメント】
機械学習を初学者に体験してもらうために,教科書を探していたら,そこそこ評判が良い本があったので読んでみた。

ディープラーニング(深層学習)が主たるテーマであるが,線形識別器から丁寧に解説してあって,深層学習の仕組みを理解するのには良い書籍だと思う。

また,開発環境もGoogle Colaboratoryに限定して解説を行っているので,とにかく素早く勉強したいという人には,便利だと思う。

機械学習の中で知るべき,確率・統計的な考え方の解説は
やや弱い気がするが,正直難解な確率の式を多用すると初学者はギブアップしてしまうので,これくらいの教科書の方が
モチベーションを高く保てて良いと思う。

他の教科書と比較してわけではないので,これが一番とお薦めすることはできないが,読んでみて損をしたとは,思わないであろう。


理論的な背景をもう少しだけ詳しく知りたい人は,岡谷先生の機械学習プロフェッショナルシリーズの教科書と組み合わせるのが良いであろう。

但し,この二つの間には結構大きなギャップがあり,このギャップを埋めるのが,大切なような気がする。

そして,そのギャップを埋めるためには,(分厚い)機械学習の教科書を1冊は読む必要があるだろう。
 

 

 

【書籍情報】
レイアウト・デザインの教科書
米倉 明男,生田 信一,青柳千郷
ISBN-13 : 978-4797397314
出版社 : SBクリエイティブ (2019/2/23)

【概要・コメント】
ポスターやフライヤーを自前で作るにあたって,センスを自前で磨くのには限界があると思い,この教科書を手に取った。

レイアウト・デザインに内容を絞りこんでいるため,非常に読みやすく,1~2日もあれば,目を通せる内容である。

特にレイアウトの基本ルールの部分などは,なんとなく(抽象的に)は頭にあったものの,このように項目として整理してもらうと,非常に頭の中がすっきりとする。

一方,教科書の後半の半分は事例集であり,教科書というには,基本ルールの追い込み(理論的背景の説明)が不足していると思われる。つまり,この基本ルールを覚えれば,それなりに良いレイアウトデザインが出来ると期待できるが,一方で,ルールから少し外れたものについて,読者が各々で何か判断を下すことが求められるときには,なかなか難しい状況になると考えられる。


以下,この教科書の中で取り扱われる項目のキーワードを列挙しておく
・誰に何を伝えるか
・分かりづらいレイアウトができてしまう理由
・整列
・近接
・反復
・余白もデザインの要素の1つ
・優先順位
・目線誘導
・グリッドシステム

 

 

 

【書籍情報】
マスカレード・ナイト
東野圭吾
ISBN-13 : 978-4087754384
出版社 : 集英社 (2017/9/15)

【概要・コメント】
まず最初に,読み終わったときに非常にスッキリとした気持ちになる推理小説である。

東野先生の小説は,いつもこのスッキリとした爽快感を感じるが,これはおそらく,東野先生の作品が,推理小説に求められる基本的な約束事を守りつつ,意外性を実現しているところにあると思う。

推理小説の一部には,十分な伏線が無いまま新しい情報が後々明らかになることで,読者を興ざめさせてしまうものもしばしばあるが,東野先生の作品は,適度な伏線があり,読み終わったあとに大きな納得感が得られるのが素晴らしい。

このマスカレードナイトシリーズは,ホテルが事件の舞台となる,3作目だが,ホテルという限られた空間の中でも,(もしかすると限られた空間だからこそ)繰り広げられるドラマが,非常に心を揺さぶられる。

自分の想像するホテルという施設の中で,自分の想像する人物達が,各々の時間を過ごし,各々の活動をするのが,まさに小説の醍醐味であろう。

素晴らしい推理小説ならではの爽快感を皆さんも味わってみてはいかがだろうか?