【書籍情報】
はじめての現代制御理論
佐藤和也・下本陽一・熊澤典良
出版社: 講談社 (2012/9/7)
ISBN-13: 978-4061565081

【概要・コメント】
初学者向けの制御関連の教科書は,日々進歩してる。
本書も,その進歩を感じることができる1冊である。

基本的に,昔の教科書と比べると以下の特徴がある

  1. 内容を絞りこみ,初学者が知るべき内容のみを掲載
    →結果として,定理・公式の証明などは省略される傾向にある。
  2. 式変形を丁寧に書き下すことで,数学が苦手な学生が途中で離脱するのを防止する
  3. 新しい概念を示した後は具体例を必ず示して,結局どのような事象を説明したのか解説

まさに,この本は上記3つの基本を丁寧に抑えた初学者向けの良書である。
現代制御の講義に着いていけなかった学生は,一度本書を読んでみるとよいであろう。

一方で,定理や公式の証明はほとんど書かれていないので,なぜそのようになるのか?
を理解したい場合には,昔ながらの本や論文を参照する必要がある。

やはり,たくさんの教科書が出版されることによって,教科書の役割も分散されてきて,読者が目的に応じた教科書を選べる時代になってきたと思う。
今の大学生がとてもうらやましい限りである。

このレビューを書くときにAmazonをチェックしたら,なんとオールカラーの改定第2版が出版されていた。
この本を購入したときは,まったく気づかずに白黒版を買ってしまって非常に後悔。。。
カラー版,見てはいないが,だれがどう考えてもグラフの線の弁別性はカラー版の方が高いであろう。