【書籍情報】
青空と逃げる
辻村 深月
出版社: 中央公論新社 (2021/7/21)
ISBN-13: 978-4122070899
【概要・コメント】
小説を読んでいて,何も(事件が)起こらないで欲しいと思ったのは,この本が初めてかもしれない。
近年,伏線をきっちり回収することがもてはやされているが,それだけが小説の醍醐味ではないと思う。
言葉そのものの美しさ,言葉が表現する情景や心情描画の美しさ,そういったものを楽しむのもよいのではないか?
伏線回収要素が強ければ強いほど,小説を読み終わった後の達成感は高いような気もする。
但し,本を読んでいる時の焦りが強くなり,結果として短い時間で楽しみが終わってしまう。
この書籍は,本を読んでいる間のゆったりと過ぎる時間そのものを楽しむことができる。
書籍が扱っているテーマは人が物理的にも精神的にも傷ついている部分があるので,全てが安らかにとういわけにはいかないが,この書籍の登場人物たちの経験自体が羨ましく感じる。
この書籍を通じて,季節の移り変わり,地域ごとの文化・変化の違い,人の成長の神秘,人と人の繋がりの尊さを感じられるのが,この素晴らしいところである。
サスペンス小説に疲れている方には,特にお薦めしたい1冊である。
説に疲れている方には,特にお薦めしたい1冊である。