真緒と蘭もクラスは違う。真緒は自分のクラスで、何人か仲の良い子を作っているもののそんなに好きと思っていなかった。
話しをなんとか合わせている感じだ。
でも最初から、かわいいと思う女子が一人いた。
彼女はバラ色の頬がツルツルとして大きな目にサラサラの栗毛をボブにして、スタイルのいい子だった。
そんなうらやましい可愛さの彼女は、何故か真緒に興味ない表情しか見せない。
同じクラスだからといって、みんな仲良くなる訳ないけど、彼女のどこか冷たいような目は真緒から話しかけたりできない雰囲気だった。
後ろの席の野球部男子は、いつも、やたら優しく話しかけてくる。
ついには、悩み相談までしてくる。
田舎から野球のために、有名校のここに来たらしい。頑張っているらしい話が長い。部活の先輩のミーティングと称した後輩いじめが、きついらしい。
真緒は手のひらの豆を見せて、部活って忍耐だよ と、慰める。
どうしようもないことに悩み、生きていくしかないけど嫌になる気持ちはわかる。
この野球部男子のスタイルは多分学年で一番いいと思う。
そこは目立っているし、自分でも制服を
アニメに出てくるイケメン男子みたいにぴたりと着こなしている。
真緒は、自分に自信があるんだろなぁと、感じている。
ただ疲れているのか、いつも授業中に寝ているのを見る。
とにかく真緒は授業中に寝たことのない子だったので、さっさと寝てしまう人たちの気持ちは分からない。
もろに成績が下がることを平気でするなんて。結局、甘えている人たちを見ると、のんきな日々をうらやましく思う。
部活に行くとき、珍しく蘭が派手彼氏と下駄箱前で、話ししていた。
久しぶりに蘭が嬉しそうにしているのにやたらとイラついた。
派手彼氏は無表情に近い。
あの男子はまだ付き合っていく気があるんだろうかと、内心にらむ。
真緒と彼氏は仲良くしているけど、その関連したことすべてを蘭に話すべきか、いったん悩む。
蘭が体調を崩して休みの時など、頼まなくても彼氏は真緒を家まで送って帰ってくれる。真緒の家から彼氏の家までは、多分一時間はかかるはずなのに全然平気と言って帰って行く。そんなことは蘭にはとりあえず言わないでおく。
彼氏のバンドのライブに行くのも次の日曜日に行って、その後デートするとかも言わない。二人の予定の全てが蘭の恋愛状況に気を使う。
派手彼氏は学校からそんなに遠くない家で蘭が遊びに行ったとかもきかないし、家まで送ってくれたとかもきかない。そんなことが、あれば笑顔で報告してくるはず。真緒の疑問は増幅中の一方で、でも、面と向かって、もっとそれらしく仲良くできていかないものかとは聞けない。おせっかいで、真緒が派手彼氏に聞けるわけないし。
どうみても聞いても蘭と向き合っていく気などないのは明確に思える。
真緒にとって、だんだん、もう顔を見ただけでイライラする派手彼氏になっていた。