学校の体育館は一部補修中につき、全校球技大会は市の体育館を借りて行われることになった。
真緒は方向音痴の蘭と朝から待ち合わせて自転車で市立体育館へ行く。
着くとクラスごとに集合するので別れた。
蘭は入口あたりで自分のクラスの女子たちと盛り上がってしゃべっている。
真緒もクラスの友達がいるところへ行こうと歩いていると、蘭の派手彼氏が、こっちをじっと見ているのに気付いた。
学校にいるのでないからか、真緒はいつもより親切感が出て、蘭ならあっちにいるよと言いかけた。
でも、なんかいつもと雰囲気が違う。
真緒は、昨日の夜に母親と言い合って泣いて、そのまま寝てしまった。
腫れ気味な真緒の目を顔違うなぁ と見てるのかと思った。
視力はいいみたいねと、嫌みな心がもう出てきた。イラッとしている間に派手彼氏は目をそらした。
蘭のことも聞いて来ないし、もう派手彼氏に目もくれず真緒はさっさと友達のいるところへ行った。
友達たちにも、目の腫れを指摘されて後悔中の真緒は前から出番の合間に会おうねと彼氏と約束してたから見に行った。
心配してくれた彼氏は真緒の話を聞いてくれる。
もう、まわりにいた彼氏のクラスの男子らに冷やかされる。
恋人がいることはそんなに誰もが羨むことなのかなと思う。
真緒の一番ほしいものは、ずっと変わらないものと、両親からの期待だった。
まったく期待されない子はつらいもの。
それ以上に人から信用されて人のためになれたら、言うことは何もないと憧れる。
どうしたらそうなれるのか、ただ出来るだけ勉強してみるだけだった。
男女の仲には限界があると、なんとなく思う。脳の構造が違うから分かり合えないとかそんな話を聞いたことがあるから。
ただ、蘭となら分かり合えると信じていた。蘭は家庭がちょっと複雑なようだけど、真面目でどうしたら幸せになれるのか必死に模索していた。
将来の不安も素直に口にし合えた。
真緒はバレーボールで出たけど、すぐ負けて終わった。観戦にまわる。
彼氏のチームは勝ち進んで決勝までいってる。見ると決勝の相手チームに真緒の気になる彼がいた。
真緒はとんでもなく心臓がドキドキしてきた。
彼はバスケ部の一年で一二を争う才能のようと知ってる。
バスケの決勝試合が始まると、真緒はどこを見ていいかわからなくなった。
やっぱり抜群に上手いのは彼だった。
バスケの練習をしているところは、一回だけほんの少し見たことがある。
かっこよすぎるのが目に焼き付いていた。今日は許されるなら、ずっと見ていたかった。
彼のチームが優勝して皆で喜んでいる。
それを見て自分の立場を忘れてたことに気づき目をそらした。
球技大会は終わり、蘭と帰るので誘いに行った。そういえば蘭は派手彼氏と一緒にいれたかなと聞こうとした。
蘭に朝来た時のことを言うと、一気に顔が曇った。