真緒は周りを取り囲まれているけど、今すぐ蘭にどういうことか聞きたかった。 女子たちに他にも何か言われた言葉は耳に入らない。
 蘭は結局、真緒に何も言わないまま4人に連れられて行ってしまった。
 
真緒は1人でクラスに戻る時、不安と疑問と邪魔に思った4人の女子たちへの憤りを感じていた。
蘭の考えていることはさらにわからない。二人の友情は壊れたということなのか。
自分の言動の何が非難されているのか考えてばかりで、授業は全く頭に入ってこなかった。

 放課後、蘭が来た。
いつもと変わらない感じで部活に行こう と、言う。
真緒はびっくりしたけど蘭の後をついて行った。二人は終始無言だった。
 部室に着くと蘭は先輩たちやもう一人の一年生女子と普通に会話して笑っている。
真緒は部活に来て、こんなにほっとしたことはなかった。でも蘭には理由を聞かなければいけなかった。
 
 練習中の真緒の集中はないに等しい。
でも、自分は試合に出ないにしても総体に向けて練習の真剣度は増していかなければならない時だった。
 先輩に指摘されて休憩時間に暗い顔になる。蘭は何を考えているのか早く知りたい。ほぼ話もしたことの無いあの4人の女子に関係あることと思えない。

 部活からの帰り道でも蘭はとりとめのないことしか言ってこなかった。
よけいに考えすぎて、真緒の気持ちは複雑で、もう、聞く機会を逃しそうだった。
 自分とは関係のないことにしようとしているのか、蘭もはっきり言えないと思っているのか、いろいろ考えてしまう。
そして、そのまま分かれ道が来て帰ってしまった。

 真緒は、もどかしいけど、蘭が普通にしているのに聞き出すのは怖かった。
 蘭の派手彼氏のことを自分が悪く言ったように思ったから、誤解されたのかなと思う。
 もうすでに真緒は、もっと大事にしてくれる男子はいくらでもいるよ と、蘭に言っていた。
 中学校の同級生には蘭に惚れ込んでいる完璧な好青年がいたのだから。
その好青年に想いを寄せる女子たちを尻目に蘭は、さっさと振っていたけど。
 
 理屈で、彼氏をつくれるわけがないのは分かる。
 自分の蘭に幸せでいてほしいと思う気持ちは独りよがりだったと今更気付く。
 でも、蘭の態度が変わったのは球技大会の後だったし。
理由はわからなくても蘭と、もう今までのようになれないのは分かる。
ただ、真緒の心は悲しみでいっぱいになった。