(訳あって削除のアミューズメント3の書き直しです。
不完全再現です。
いいね押してくれていた方申し訳ない気持ちですm(__)m
今後このような事は無い様にします)



  僕の通う高校から、僕の父の住む実家は近い。
両親が離婚することを決めて、母親と中学生の妹と三人で、少し離れたアパートの部屋で暮らし始めて二ヶ月になる。
実家は、庭付きの一戸建の大きめの家で駐車場も広い。
僕が幼児の頃に建てた家で、川に面していて開放感が有り、すぐ近くの総合病院には、専用駐車場として少し土地を貸している。
何不自由なく育ってきた少年時代だった。普通に仲の良い妹がいて、しっかり者の母親は、ずっと公務員として働いている。
この頃は、家族との時間は少なくなったけど、今まで大切に育ててもらった記憶しかない。

 父親は優しく、元々おとなしい性格だったのが、数年前、仕事の帰りに事故にあったのをきっかけに、段々とふさぎ込むようになった。
しばらくして仕事を辞め、駅前の持ちビルで管理人として働く祖父の手伝いをして生活してきた。
性格が少し変わってしまった父親に寂しい気持ちもあったけれど、大好きな父親には変わりなかった。

 僕は久しぶりに会いたくなって、学校帰りに実家に行くことにした。
昨日のうちに父親に連絡を入れておいた。
前から自分用に渡されている鍵で、家に入ると、少し荒れた感じになった玄関が目に入った。
リビングはさらに散らかっている。
気持ち少し片付けて、テレビを付けて幼い頃一緒に座って見ていたソファの下に横になった。
 これからのこと、大人になっていくことと、少し過去の思い出とを交互に思い浮かべていたら、僕はいつの間にか寝てしまっていた。
 気がつくと、父親は仕事から帰ってきていて、夕食の用意をしてくれていた。
たくさん食材を買って来たのが分かる。
簡単なものばかりだったけど、一緒に食事をするのも、元気そうな父親の顔を見れたのも、やはり嬉しくて、いつもあまり食べない僕なのに、たくさん食べた。
父親は、僕や妹と母親のことを心配するように、いろいろ質問してきた。
僕は家のことと、部活のことなども話して、もう帰る時間になったら、父親は僕の誕生日のお祝いにと、お小遣いをくれた。
僕の誕生日を、ちゃんと覚えていてくれたのは嬉しくて、幸せな気持ちで、アパートに帰った。

 家に帰ると母親は、おかえり以外は何も言わずに、僕の顔をじっと見て来た。
妹とは、よく話す母親も、最近は後ろめたい気持ちからか、僕には話しかけてくるのが減った。
進学のことも、きちんと話し合っていかないといけない時期に、両親の離婚は正直気持ちが揺らぐ。
けれども三歳下の妹は、中学生なのに素直で反抗期独特な様子が少ない。
結構僕は、そこには救われているのかもしれない。
母親と妹が仲良くしていてくれたら文句は無かった。
毎日は普通に過ぎても不安だったり、未来への焦りだってある。
幼い頃から、ずっと一緒にいた蒼成と侑斗や春呼だって、関係は昔とは少しずつ変わっていく。
確かなものなんて、何一つ無いこの状態から、一歩先に行きたかった。
誰もが、同じ気持ちなんだろうか。
僕は暇なだけなのかもしれない。
今日は同じ陸上部の部員に、明日は来るようにと言われていた。
試合に向けて、しばらくはバイトを控え目にして、部活に真面目に参加していくことにする。

ふと、椋井さんの顔が頭に浮かぶ。
本屋のレジなどにいるのを時々、見かけていたのとは印象が変わって、もう、彼女のいないバイト先は考えられない。
以前と僕の働きは変わらないだろうけど、やる気が違う。
バイトを少なくすると、彼女に会える回数が減ってしまうことになる。
そんな考えは、初めてした。
自分にとっての世界が変わるというのは、こういうことなんだと知った。