以上のことを、「一神教と多神教」の関係でいうと、欧米人は一神教文化の下にあるため、一定の絶対的価値を前提に導かれる思考(論理)を重視し “ポジティブ・シンキング ”などという手法が有効なようです。しかし、多神教の日本では、直感(感性)を重視し、変化を受け入れ、

 

「あるがままに任せる」という発想を基本にしています。そのため、例えば、世界ではベストセラーになった「ザ・シークレット」や「思考は現実化する」などの成功哲学は、東洋や日本でも本は売れましたが、結果を出した人を聞いたことがありません。ただの気休めになっています。

 

確かに、ポジティブ・シンキングも、極端にネガティブになっている状態でバランスを回復する上で強調するには短期的効果があります。例えば「あなたはそのままですばらしい!」とか、「愛と光に包まれて…」なんて言葉も。でも、一時の気休めです。それどころかこれらの美しい言葉は、

 

人々を恍惚とさせるマインドコントロールに利用されてきた面があります。実際、ローマ皇帝と結託していた十二世紀のローマ教皇インノケンティウス三世は、人々が苦しんでいるとき、「それは神の与えた試練だ」として服従を迫り、重税を取り立てたといわれています。

 

(次回に続く)