半分。79 | 智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

『えっ?!大野くんのそんなとこが好きなの?!』と周りから言われる、ワタシのツボや萌えポイントを、思いつくまま書いている智つぼ。(さとつぼ。)です。



翔の圧に怯んだ田城は

頭をガクンと項垂れ銃を落とした。

翔は素早く田城の銃を横に蹴り拾い上げた。



クソッ...あと少しだったのに...



項垂れたままブツブツと恨み言を呟く。

田城の手から銃が離れた事で...

皆の視線が一瞬オジキに向いた。



その瞬間。



このまま...終わる...?...あり得ねぇ...。

...お前は...道連れにしてやる!!



田城がいきなり叫んだと思ったら

隠し持っていた銃を二宮に向けて撃った。



チッ...!!



反射的に俺も田城に銃を向け撃ち込んだ。

俺の弾丸は田城の頭を撃ち抜き

田城はその場に崩れ落ちた。



二宮っ!!


和也さん!!親父様!!



太一さんが床に倒れた二宮とオジキに

近付いてオジキを抱き起こした。



俺もすぐに近付き二宮を抱き起こした。

その俺の手が...血で真っ赤に染まった。



おい!!二宮!!

しっかりしろ!!二宮!!



俺の呼びかけに...二宮は反応しない。

目を閉じたまま...ピクリともしない。



...嘘...だろ...?

二宮は...死 ぬ...のか...?

この瞳は...二度と...開く事が...ないのか...?



震える手で...二宮の頬を包み込む。

まだ...あったかいのに...

死 んだなんて...嘘だ...。



...二宮...目ぇ...開けろ...。



二宮の頬をペチペチと軽く叩く。

頼む...頼むから...目を開けてくれ...。



.....ぅ...。


二宮?!



二宮が小さく身動ぎ...

瞼がふるふると震えた。

その瞳が...ゆっくりと開けられた。



二宮!!


.....お...のさん.....俺.....?


...田城に...撃たれたんだ...。

何処が痛む?


...ぇ...と.....頭が少し...痛むけど...

他はどこも...痛く...ありません...。


...え?



こんなに血が付いてるのに...

何処にも痛みがない?

...そんな訳.....



ハッと気付き太一さんの方を見た。

太一さんはオジキの胸を圧迫して

止血していた。



...オジキが...庇ったのか...。


親父様...お願いです...目を開けて下さい...。


た.....いち...


親父様っ!!


...か...ずなり...は...?


...和也さんは...無事です...。


...そ...うか...


じぃさん!!



二宮がオジキに近付くと

オジキも二宮に手を伸ばした。

二宮はオジキの手をグッと握った。



...怪我...ねぇ...か...?...和也...。


俺っ...俺は...大丈夫...。

それよりじぃさんが...じぃさん.....。



二宮の目から涙がボロボロと零れる。



儂の...命(たま)で...和也が...無事...なら...

それで...いい...。


...嫌だ...じぃさん...死 なないで...。


智...。


...ここに居る。オジキ。


...和也を...頼む...。


分かった。オジキ。


...こ...れで...思い残す...事は...ねぇな...。笑


嫌だっ!!じぃさん!!

俺を...俺を一人に...しないで...。


...和也...お前ぇは...一人...じゃねぇ...。


...っ...ぅぅ...じぃ...さん...。


ずっ...と...お前ぇを...見守って...か...ら...

どう...か.....しあわ...せ...に.....



オジキの目が...ゆっくりと閉じてく。



二宮が握っていたオジキの手が...

二宮の手をスルリと抜けて

パタンと...落ちた。






To be continued.