付喪神奇譚 Ⅱ。129 | 智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

智つぼ。~ワタシの好きな大野くん、時々アラシ。

『えっ?!大野くんのそんなとこが好きなの?!』と周りから言われる、ワタシのツボや萌えポイントを、思いつくまま書いている智つぼ。(さとつぼ。)です。



智に手を引かれて『水晶の間』と言う所に

連れて行かれた。



そこには...八代様と月影様と...

花葉様がいらした。

入り口で智の横に座りお三方に頭を下げる。



八代様が智の体を気遣う。

智の返事に...やっぱり大怪我してたんだ...と

知らされた。



智は大丈夫と言うけれど...

ホントに大丈夫な怪我なんだろうか?



八代様は俺の体も気遣ってくれる。

大丈夫だと答えると...安心してくれた。



【話をしても...構いませんか?】



八代様がそう言う。

今の状況をちゃんと知る事が出来る。

俺は...背筋を伸ばして座り直した。



【今回の件は...全て私達の責...。

智と和也には...迷惑をかけてしまって

本当にすみません】



そう言って八代様達が頭を下げた。



待って...頭を上げて下さい!!



俺は慌てて八代様にそう言った。

神様方に頭を下げられるなんて...。



【今回の事は...あの提灯を奪われた事で...

和也を巻き込んでしまったのです】


...提灯...って...あの八代神社で見せて頂いた鬼灯の提灯の事ですか?

提灯と俺に...何か関係があるのですか?


【和也...記憶は...戻っていますか?】


はい。

ただ...京都から前後の記憶が曖昧で...

今の状況が分かっていません。


【...そうですか...では...ちゃんと

順を追って話をしますね...】



そう言って八代様は最初から順を追って

話し始めた。



【和也は...京都へ百鬼夜行の事を調べに

訪れましたね


はい。

教授と一緒に八代神社にお邪魔しました。


【その後...和也は花葉神社にも行った】


はい。

花葉様にお会いして...

その後月影神社にも行きました。


【...私が...お前に頼み事をしたのは...

覚えている?】


覚えています。

花葉様からお預かりしたすずらんの鈴を

月影様にお渡ししました。


【お前のおかげで...お兄様は助かった...

だから...その晩...私はお前の所に行ったの

...お前に...お礼を言おうと思って...】


...花葉様が...俺の所に...?



それは...知らなかった。

花葉様が俺の所に来て下さってたなんて...。



【だけど...お前は...闇に捕らわれていた】


...っ...


...そう...だったのか?カズ...。


...うん...。

京都に居る間...真っ暗闇の中に居る夢を

見ていた...。歩いても歩いても真っ暗で...。

でもその時...鈴の音が...聞こえたんだ。


...鈴の音...。


【その鈴の音は...私の鈴蘭の音よ。

お前を闇から助けようと...

鈴蘭の音で導いた...】


あの鈴の音は...

花葉様のすずらんだったんだ...。


【...お前が...また闇に捕らわれない様に...

私の鈴蘭を一つ...お前の元に残した。

だけど...その鈴蘭が...お前を...百鬼夜行に...導いてしまった...】


花葉様の鈴が...百鬼夜行...に...導いた...?



そこで...鈴の音に導かれて...

闇の中を歩いて行った事を思い出した。



京都でのフィールドワークを終えた夜...

八代様が俺に会いに来て下さった後...

俺はまた...闇の中に居た...。


その時...鈴の音が聞こえて来て...

呼ばれてる様に感じて歩いた。

闇から出られたその先に.....。


...カズ?


.....百鬼...夜行が.....居た.....。



...思い出した...。

俺...闇を抜けた先で...百鬼夜行を視た...。



【提灯を奪ったアヤカシは...百鬼夜行を完成させる為に人の魂を奪う。

私は...和也の魂が狙われるのではと...

和也の所へ行ってしまった...】


八代様は俺を守ろうと思って

来て下さっただけです。


【いいえ...それが...いけなかったのです...。

私が和也の所へ行ってしまったから...

あの男は...和也を狙った】


【私の鈴蘭を使って...お前を百鬼夜行に導き...魂を奪おうとしたのよ】


...そんな.....。


【だけど...そのアヤカシは...

和也の魂を奪う事は出来なかった】


神様方の祝福と...伴侶の印と...

翔がカズに渡したお守りのおかげですね。


【そうです。

ですが...和也にとって...一番大切な...

智の記憶は奪われてしまった...】


俺の...記憶を奪ったアヤカシは...


龍...白翆。


龍...白翆...。


...俺の本体を作った男だよ...。


えっ?



いつの間にか...翔が居て驚いた。

でも...もっと驚く事を...翔が言った。



翔の...本体を作った男が...龍白翆で...

俺の記憶を奪った...アヤカシ...。

...じゃあもしかしてあの鬼灯の提灯も...


...アイツが作ったモノだよ...。


...そうだったんだ...。



バラバラだった記憶の欠片が...

線で結ばれ...繋がり始めた。






To be continued.