なぜ妊娠できないか?という問いに直面した時、「年齢的」 「卵子の老化」
といった理由をあげてご相談に来られるお客さまもおられます。
妊娠に向けての体づくりにおいては、卵巣年齢や不妊治療に応じて、
不足しているものは補い、消耗するに足りる力を充足するしかない要素もあります。
その一つが「腎精」です。
「腎精」は、
「腎」(=成長・発育・老化を担うはたらき)の「精」(=エネルギー源)で、
つまり、生殖活動のために必要なカラダの力をいいます。
漢方では、腎精が足りないことは、妊娠力が足りないということになります。
「妊娠力」という言葉もいろいろな所で利用されていますが、
妊娠に必要な卵子の状態、精子の状態、ホルモンや妊娠を維持できる体力の状態を
総合的に代弁する表現と認識しています。
➀「腎精」は、生まれながらに人生を送るエネルギー源として備わっていますが、
エネルギーレベルは皆が同じではなく、もともと弱い傾向のかたもおられます。
➁成長発育に伴い、精も増していくことで生殖期を迎えますが、この成長発育期に
体力面で無理をし過ぎると生命維持に必要とする「精」までも消耗してしまうことになります。体力を超えた激しい運動などをしてきたとか不眠不休で勉強してきたなどの経験があるかたは要注意です。
➂過度のダイエットで極端な栄養不足が続いた場合も、体力の根本にまで影響が
及び、生理が止まってしまったりすることもあります。
➃長期間ピルを連用してきた場合にも、いざ妊娠を望む時期を迎えたときに生理が
うまくいかないかたもおられますので、ピルを利用するにもメリットとデメリットをしっかりと確認し、必要性に応じた使い方を検討することも大切かと思います。
➄腎精は年齢とともに減退します。
これは誰しも逃れることのできないポイントです。
漢方にはすでに「補腎」という理論があり、抗老化をめざして
長い間利用されてきました。
そして、妊娠できないことが大きな社会問題となった現代において、
「補腎」を進化させた「子宝漢方」として現代人の体質に則した妊活を主眼においた
ですが、腎精は時間の経過にともない減っていくものであり、
補っても間に合わないケースもあるのも現実です。
大切な赤ちゃんを育む、そのお体を大切にしていただき、
腎精を無駄遣いしないようにしながら、
必要に応じて速やかに補うことがポイントです。