漢方では体内の機能を「肝・心・脾・肺・腎」という、
5つの働きに分けて考えます。
「脾」
「脾」とは、脾臓のことではなく、消化吸収のコントロールや、
水分代謝の一部や栄養代謝、血液が血管から漏れないように調整したり、
老廃物を排出したり、内蔵の位置を維持する働きをいいます。
この時期、もともと「脾」が弱い方もそうではない方も、
湿気の邪気=『湿邪(しつじゃ)』が原因で様々なトラブルが
あらわれやすくなると考えられます。
適度な湿度は人間のカラダには必要なものですが、
余分な湿気は「脾」の働きを弱めてしまい、
消化不良や胃下垂、皮下出血や鼻血や脱肛、
めまいや疲労感を感じやすくなります。
女性の場合では不正出血が起こる場合もあります。
食べ物は胃で消化され、腸で吸収され栄養として取り込まれるので、
胃腸を強化することで、充分な栄養をからだの隅々まで届けることができます。
生れつき胃腸が弱い人や「脾」の働きが低下している人は、
食べ物から「気」や「血」を作り出すことが十分に出来ず、
全身に栄養が行き渡りません。
「気」・・・生命エネルギー
「血」・・・体を潤し栄養を与える体液(赤色)
そうなると、子宮や卵巣への栄養も不足し、
卵胞の育ちやホルモンにも影響を及ぼしてしまうのです。
「脾」の不調による栄養不足は、
生命維持・生殖機能などを司る「腎」にも影響するので、
妊娠に向けての体づくりのためには、
まずは「脾」の強化・回復が大切です。
「脾」の働きが弱まっていると、せっかくの漢方の力を発揮できず、
改善に時間がかかってしまいます。
梅雨の時期に限らず、
普段から「お腹の調子が悪い」「胃腸が弱い」という方、または、
「なかなか結果がでない」「漢方の効果が実感できない」という方は、
もう一度自分のカラダの状態を見直してみましょう
また、「脾」の働きが安定していると、
流産防止にもなると考えられていますので、
お腹が弱い方は、早目の対策をしていきましょう