原作沿い成立後蓮キョのおまけ話を突然ですがお届けします。短いですよ。
お楽しみいただけたら幸いです。
本編はこちら⇒少しだけ遠い未来の話<1 ・2 ・3>
少しだけ遠い未来の話・おまけ
■ 主導権の話 ■
キョーコと結婚してひと月ぐらい経ったころ、突然こんな質問を浴びせられた。
「 敦賀さん、新婚生活はどうですか? 」
「 ああ、はい、おかげさまで・・・毎日楽しく過ごしています 」
「 そうなんですねー♡ ちなみに、おうちの中ではどちらが主導権を握っていらっしゃるのかとか伺ってもいいですか? 」
「 主導権?いや、どっちも握ってないかな。俺たちはお互いを尊重しているし、家の中で自分が出来ることは自分でやっていっちゃうから 」
「 え?例えば、あれやろうとか、これやろうとか、声を掛けずにってことですか? 」
「 声?はかけるときとそうでない時があるかと思うけど・・・というより、あなたが言うあれとかこれとかって具体的には何だろう? 」
逆に俺がそう質問をすると、話を振って来た女性アナウンサーが少しだけ眉間に皺を寄せた。
どうやらその女性は俺が主導権を握っていて欲しいと思っていたらしい。
俺から言わせればそんなのはどうでもいいことなんだけど。
「 ・・・・それでその人、敦賀さんの質問になんて答えたんですか? 」
「 俺が家の中を回している想像をしていたみたい 」
「 家の中を回す? 」
「 例えば、もうこんな時間だからご飯食べようかーとか、〇時にお風呂に入って寝ようか、とか、休みの日はこれこれしようかとか、全部俺がプレゼンテーションしているみたいな 」
「 ・・・・・・へー 」
「 なんでそんな想像するんだろう。もしかしたら俺、世間的にはそういう男に見えるって事か?俺の方が年上だからってキョーコを操作しているみたいに? 」
「 操作っていうか、敦賀さんが美丈夫なのが原因なんじゃないですか 」
「 は?なんで 」
「 だって、出演ドラマで消極的な敦賀さんの姿を見ることってまず無いでしょ。だから現実でも自分の方から積極的に何でもやっているのかもって、そういうイメージがついているでしょうし、敦賀さんみたいな外見の男の人はそういう風であって欲しいっていう願望もあって、それで、じゃないですか 」
「 なるほど 」
それは一理あるかもな、と
キョーコの言葉に納得しながら俺が右手の人差し指を顎に沿えると
意味深げにキョーコが低い笑い声を漏らした。
「 ふふ・・・うふふふふ・・・ 」
「 ・・・っ・・なに、キョーコ 」
「 いえ、別にぃ? 」
言いながら目を細めたキョーコが俺の真正面に立ち、いきなり俺の顔を両手で挟む。
力を込めて俺の顔を引き寄せたキョーコが踵を上げたことで互いの距離が近くなった。
「 え?なに、キョーコ?? 」
戸惑う俺の頬にキョーコの唇が優しく触れた。
意図的に音を立てているのだろう、ちゅぅぅぅぅぅ・・・と聞こえてきたことで俺の顔がしまりなく緩んだ。
「 なに、いきなりどうしたんだ、君は 」
「 ほらホラほらぁ!! 」
「 え?なに、なに? 」
「 敦賀さんが実は不意打ちに弱い一面を持つ可愛い所もある人だってこと、知っているのは私だけってことですね♪ 」
キョーコからのいきなりの抱擁で顔全体がふよふよ泳ぐ。
つまりそういうことなんだ。
俺達の主導権は、こんな風だってこと。
E N D
すみません。ただ単に蓮くんに不意打ちチューして得意げになるキョーコちゃんが書きたくなっただけです。これで本当に終わります。
⇒少しだけ遠い未来の話◇おまけ・拍手
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