SS 危険なマスクマン | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 こちらは先日お届けした時事3部作の2本目です。両想い蓮キョでお楽しみください。

 ※両想い蓮キョとは、成立後(公言済み)ではなく、皆には内緒にしているけど両想いになっている状態のこと。新しい分類よね、これって。


 前のお話はこちら⇒ラブリー♡マスク


■ 危険なマスクマン ■





 

 新型ウィルスが蔓延し、マスクをするのが当たり前となった昨今。


 LMEから支給されていた不織布マスクを使用していた敦賀さんに、ある変化が起こった。




「 きゃー、敦賀くん、なにそのマスク!!すっごくお洒落 」


「 素敵。それ、どこで手に入れたのぉ。あら?もしかしたらそれって 」



 LME事務所に顔を出した敦賀さんをひと目見るなり、事務所内の女性たちが一斉に沸き出した。



 そうです。

 全身アルマンディ・コーディネイトだった敦賀さんも、マスクだけはLME支給の不織布マスクを使っていたのに、そうじゃなくなってしまったのです。



「 実は、アルマンディが関係者向けに制作したマスクを送ってくれたんです。それで俺はそれを有難く使わせていただくことにしました。・・・ので、事務所から頂いたマスクは皆さんに使っていただこうかと思って。一枚ずつですが、どうぞ 」


「 うっそ。これって敦賀くんが持っていたマスク?!使わないで永久保存版にするわ! 」


「 いえ、是非使って下さい。もともとはここから発送されたマスクですし。どうぞ。はい、どうぞ 」


「 ありがとう、敦賀くん!! 」


「 手渡しなんて嬉しいわ。ありがとう、敦賀くん!! 」



 敦賀さんがいま着用している、アルマンディから支給されたというマスクは3D立体構造だ。

 洗って何度でも使えるやつで、もちろん非売品。

 別にね、それ自体はいいのだけど。



「 それにしてもそのマスク、本当に素敵ね!まるで敦賀くんのためにデザインされたものみたい! 」


「 ほんと。ブランド品のマスクなんてすごいわ。憧れちゃう 」



 そうよね、私も確かにすごいと思う。

 だってブランド品のマスクよ?

 しかも何度も洗って使えるなんて

 経済的で衛生的で魅力的だわ。


 だけど、だけどね!



「 マスクの端にさりげなく入っているロゴも良いわよねぇ 」


「 ほんと。なんてったってアルマンディよ。選ばれた者だけが使えるマスクって感じが、また小憎らしく羨ましい!! 」


「 私も欲しいわぁ 」



 そうなの。

 ロゴ入りなのよ。

 そして最上キョーコはそのロゴが気に食わないの。


 なぜ、これ見よがしにロゴなんて入れたのよ。

 まるで敦賀さんはアルマンディのものみたいじゃない。



 敦賀さんは私のよ!!


 まだ一般的には公になっていないけど

 敦賀さんは私の敦賀さんなのよ!

 まだ言えないから黙っているんだけどね、私は!!



 LMEから支給された不織布マスクを一通り皆さんに配り終えたのだろう敦賀さんが、何度も感謝されて、そのたびに頭を下げながらやっと廊下に出てきた。

 私と一緒に敦賀さんが出てくるのを待っていたマネージャーの社さんが、何とも言えないため息をつく。



「 配り終わったか 」


「 ええ、この通り。皆さんに喜んでもらえて良かったです 」


「 敦賀さんはアルマンディのマスクなのに、社さんは不織布マスクなんですね。LMEの 」


「 そうなんだよ、キョーコちゃん。実は俺の分もあったんだけどね、俺が3Dマスクをするとロボットみたいに見えちゃうから遠慮したんだ 」


「 そうなんですか?私としてはロボットみたいに見えちゃうのに、マシンクラッシャーな社さんの姿を是非見てみたかったですけど 」


「 最上さん 」


「 はい? 」


「 君にもあげる。マスク取って? 」


「 え・・・? 」



 それは、私にも不織布マスクを配ってくれるってことですか。でも全部配っちゃったのでは?

 もしかしたらまだポケットにでもあるのかしら。

 いえ、別に、どっちでもいいですけど。

 ただ、マスクをくれるのになぜマスクを取る必要が?



 とか考えながら、素直にマスクを外してしまった。

 すると敦賀さんはジェスチャーで社さんにあっちを向いてと指示をしたあと、自分のマスクを外して伸ばした両腕を私の両肩に乗せ、ぐんと顔を近づけた。



最上さん、くち、開けて?



 はぁ?もう、なんなの。はい、あーん。



「 ????・・・っっっ?!!! 」


「 はい、完了 」



 ふ・・・ふおぉぉぉぉぉ!!

 なにこれ、信じられない!!

 アメ?

 敦賀さんったら今、自分の口の中にあった飴を私に直接くれましたけど?!



 直接ですわよ

 直接ぅぅぅぅっっ???!



「 さて、仕事に行かないと 」



 なに、その何でもない風は!!


 っていうか

 まさかマスクの下で飴を舐めていたなんて気づかなかったわ、迂闊にも!


 しかもそれを私に直接くれるなんて。



 なんて危険なマスクマン!!






     E N D


たぶん、最初からそうするつもりで飴を舐めまわしていたと思われるw


注:LMEから支給されたマスクは全員に、ではなく、事務員さんと、一流芸能人のみだと思われますw



⇒2020年時事2作目◇危険なマスクマン・拍手

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※時事・三部作の3「無言独占宣言」 に続く



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