SS スペシャル疑似体験(ACT.268) | 有限実践組-skipbeat-

有限実践組-skipbeat-

こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


※出版社様、著作者様とは一切関係がありません。
※無断での転載、二次加工、二次利用は拒断致します。
※二次創作に嫌悪感がある方はご遠慮ください。

 最初から言っておきます。このお話は原作ACT.268続き妄想の続き…ですが、あのシリアスな雰囲気を引っ張ってはおりません。そういう内容となっておりますのでご容赦ください。


 原作沿いではあります。たぶん。

 前話こちら⇒覆す気概


■ スペシャル疑似体験 ■





 当然、あの子を迎えに行った。


 最上さんは社さんを見つけた途端に目を見開き、そして俺を見つけた途端に3歩後ろに下がった。



「 迎えに来たよ、最上さん。君の頼もしいマネージャーが 」


「 …っ…敦賀さんは…なぜに… 」


「 そんなのは判り切っているだろう。社さんは俺のマネージャーでもあるのだから一緒に居ても不思議じゃない 」


「 …ちが……そういうことを言っているんじゃ… 」


「 あははははー。ごめんね、キョーコちゃん。車での送迎はしばらくご遠慮しますってメールは確かに受け取ったんだけど、でも俺はLMEの正社員で俺の仕事はマネージャー業だからさ、担当タレントがそう言ったからってホイホイ言う事を聞くわけにはいかないんだ。たとえばその間にスキャンダルでも起こされたら大問題。もしかしたら俺、クビになっちゃうかもだから 」 ←蓮に諭された


「 そっ…んなこと私が……!! 」


「 もちろん判っているよ。キョーコちゃんはそういうことをする子じゃない。

 でもね、たとえばもらい事故でケガをする可能性だってゼロじゃないよね。それに、どうする?もしいきなり暴漢に襲われたら 」


「 殴り倒してやります 」


「 もしどこかに連れて行かれそうになったら? 」


「 決死の思いで逃げ出します 」


「 もし薬をかがされ、目隠しをされて、二人がかりで高いとこから落とされそうになったら? 」


「 ……っっっ!! 」


「 …ね?俺がマネージャーなの、嫌かも知れないけど、またそういうことが有ったら困るから、俺にちゃんと仕事をさせて? 」


「 ……そんな言い方、ずるいです、社さん……っっ… 」


「 ずるいのは君の方だ。だいたい、マネージャーというのはただマネジメントをするだけじゃない。守護者でもあり見張り役でもあるんだ。

 それより、どうするつもりだったんだ。社さんの送り迎えがない状態でどうやって移動するつもりでいた? 」


「 そんなの、今まで通り電車やバスを使って…… 」


「 そうだね、都内なら移動手段は多いから。…で? 」


「 で?…って何ですか 」


「 もしバスがハイジャックされて仕事に間に合わなかったら、君はどうするつもりだ 」


「 そんなの、あることを前提に話をする方がおかし… 」


「 なるほど。じゃあもっとリアルなたとえに近づこうか。もし君が利用する鉄道が満員電車だったら? 」


「 はぁい? 」


「 最近は特に、ちょっと強めに雨が降ったり風が吹いたりするだけで電車が遅延したり運休したりするだろう。

 他の鉄道を利用するにせよ、目的の鉄道の復旧が早く済んで利用するにせよ、電車は満員のぎゅうぎゅう詰め。君はそれに乗るって言うのか? 」


「 そんなの当たり前です!たとえぎゅうぎゅう詰めだってそんなのは我慢すればいいことじゃないですか 」


「 我慢?出来るのか? 」


「 出来ますよ!そんなの当たり前……っ… 」


「 よし、じゃあ試してみよう 」


「 へ?……っ……ちょわっ!!! 」



 最上さんの腕を引っ張り、彼女を思い切り強く抱きしめた。

 それから徐々に壁際に移動し、さらに圧力をかけまくる。


 背中を壁に阻まれ、前面から俺の圧力を受け止めている最上さんは、ぎゅうう…と眉をしかめた。



「 どう?苦しいだろう?満員電車になったらこんな感じになるんだ。もしかしたら君が希望する駅に降りることすら出来ないかもしれない 」


「 うぎゅ……そんなの、降りてみせます…… 」


「 判ってないな。いまは壁と俺に挟まれた軋轢ぐらいしかないからそう思えるのかもしれないけど、こんなのとは比べ物にならないぐらいぎゅうぎゅう詰めになるんだ。身動きどころか呼吸すら満足に出来ないぐらいの満員電車かもしれないだろ。それでも君は電車移動を選ぶのか。マネージャーのお願いを無視して 」


「 うぎゅうぅぅぅ……敦賀さん、苦し…… 」


「 そうだろう?もしかしたらこれが原因で足首や手首を捻挫することだってあるかもしれない。そうなれば撮影にだって支障をきたす。誰にとってもいいことなしだ。だったら?君が選択すべきなのは? 」


「 キュキュキュ~~~~~~~ッッッ!!!敦賀さん、分かりましたから放してください! 」


「 本当に分かった?満員電車なんてこんなのの比じゃないよ?本当に理解した? 」


「 しっ…しました、しましたからっっ!!! 」



 そう叫ばれてようやく俺は口元を緩め、そして静かに腕を解いた。



「 ……最上さん、どうだった?敦賀蓮スペシャル、満員電車疑似体験 」


「 死ぬかと思いました!! 」


「 そうだね。じゃ、どうすべきか理解したところで社さんに頭を下げなさい。ごめんなさい、私が間違っていました、と 」


「 …っ…でも、出来れば私はしばらくの間は…… 」


「 そう。どうやらまだ心の底から理解できた訳ではないらしい。いい?都内の満員電車っていうのはね…… 」


「 ぎゅえぇぇぇっっ!!苦しい!敦賀さん、苦しいです!! 」



 トン、トン、トン…と社さんが俺の肩を指で叩いてきたけどそんなのは軽く無視した。

 顔を見ずとも今マネージャーが腹の中で考えていることなんて既に分かり切っている。



 お前、ただ単にキョーコちゃんを抱きしめたいだけだろう?…というところだろう。



 だったらどうだって言うんです?

 文句なんてないでしょう?


 当初の目的通り、この子の頭が冷えるなら。






     E N D


泥中の蓮の役者が周りにいっぱいいるだろうから、蓮くんスペシャル疑似体験を希望する人はきっといっぱいいたでしょう(笑)

キョーコちゃんにしかやらないんだけどね♡(〃∇〃)蓮くん、だいぶ楽しそう。



⇒スペシャル疑似体験・拍手

Please do not redistribute without my permission.無断転載禁止



◇有限実践組・主要リンク◇


有限実践組・総目次案内   

有限実践組アメンバー申請要項