SS あなたに釘付け(ACT.267) | 有限実践組-skipbeat-

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 お付き合いくださってありがとうございます、原作続き妄想の続き♡

 ネタバレ回避お嬢様は回れ右を推奨ですよ。




 …ところでね、本誌だとお話最終ページの柱部分に、作品に対しての一言が入っているじゃないですか。

 今回充てられていた、「その糸は、縺れる一途」を目にした瞬間、最初っから縺れまくっているじゃないのよ、この二人は…とツッコミを入れましたよ、私は(笑)


 ちなみにだからこそ!…の続き妄想です。それなりに長いですよ。

 お楽しみいただけたら嬉しいです。


 前のお話はこちら⇒君を釘付け


■ あなたに釘付け ■





 約束した時間に着いて、マンションの入り口を開けてもらった。

 エレベーターに乗り込んであの人がいる階を押す。


 扉が開いて、駆け下りて、目的地の前で深呼吸。

 チャイムを鳴らしたと同時に深く頭を下げといて、ドアが開いた途端に大音量でお礼と謝罪の言葉を述べた。



「 こんばんは、敦賀さん!!このような深夜にもかかわらず私のような者のためにお時間を割いていただきありがとうございます!本当に申し訳ありません!! 」


「 ………… 」



 気配はするのに敦賀さんは無反応。

 相当怒っていらっしゃるに違いない…と恐る恐る頭を上げた瞬間に身の毛がよだった。



 なぜならそこに閻魔様がいたから。

 大王は厳粛な様でじっと私を見下ろしていた。



「 ……っっ!!! 」


 こわっ、こわっ、怖いです、敦賀さん!

 でもでも、なんて素敵なの!!


 切れ長の目から垂れ流される容赦のない冴えた冷気。

 結ばれた唇が威厳と怒りを表現している。



 全身黒色の衣装に身を包み、ただ大きな布を羽織っているだけだというのに、敦賀さんはどこから見ても閻魔大王その人にしか見えず、私は釘付けになってしまった。 ※閻魔だって判ったあなたが偉い。



「 …フッ 」


 え?敦賀さん、いま笑った?


「 良く来たね。ではこの奥で君の言い分を聞いてあげよう。君の行いを裁くのはそれからだ 」


「 …っっっ!!! 」



 正直、本気でぞっとした。笑ったように見えたのは幻覚だと思った。


 いいえ、そうじゃないかもしれない。敦賀さんは私を見て嘲笑したのかもしれない。



 敦賀さんの後を追いかけ、廊下を進みながら私は固唾を飲み込んだ。



「 そこへ 」


「 はいっ!失礼いたします! 」


「 待て。誰がソファに座っていいと言った?君はここだ。俺の目の前だ 」


「 ……はい、すみませんでした 」



 通された居間の様子は記憶のそれと変わりなく。ただ部屋はかなり暗めに調光されていて、配置されているだけの家具の印影がどこかおぞましく目に映る。


 閻魔様に扮した敦賀さんが腰を下ろしたソファの前に、私は背筋を伸ばして正座した。



 ソファにもたれ、左足の膝の上に右足首を重ねた敦賀さんの足の形が、こちらからは数字の4にしか見えず、それが、否が応でも私に死を連想させる。



 違いない。これから私は生きながらにして閻魔大王の裁きを受けるのだ。

 真実をすべて打ち明けたとしても、この人がそれを信じてくれなければこの世の総ては地獄と化す。



「 さて、早速だが聞かせてもらおう。主文はもちろん不破の件。君は… 」


「 そのことですがもう一度言わせてください!絶対にありえません!!私の心がアイツに傾くことなど金輪際ありません!! 」


「 ……なぜ?金輪際ないと断言できる。過去、君が自分の総てを投げ打つほど想っていた男が、深夜と呼べる時間に君を心配して駆けつけた。君が人生で一番傷ついているときに、だ。それでも君は本当に…… 」


「 コーン!!! 」


「 …っっっ?!! 」


「 あの夜、公園で出会った敦賀さんを私はコーンと間違えました!覚えていますよね?! 」


「 ……それが? 」


「 あのとき私は必死にコーンを呼んでいたんです。頭の中で、心の中で、コーンを必死に求めていた。あまりにも強く求めすぎていたから、黒髪の、黒い瞳の敦賀さんがコーンに見えたんです。

 来てくれた…私の声を聞いて来てくれたんだってそう思いました。嬉しくて、甘えたくて、ただ抱きしめて欲しくて……私はあなたに泣いて縋ったんです!! 」


「 だから? 」


「 だから…… 」


「 それにどれほどの重さがあると?君は前、グアムで俺に話してくれたね。君の言う妖精王子とファーストキスをしたことを 」


「 !!!…し……ました、けど…… 」


「 愛がなくても、ライクな想いしかなくても、呪いを解くことが出来たことを君は嬉しそうに報告してくれた。間違いないな? 」


「 間違いないです 」


「 では聞く。過去、君が自分の総てを投げ打って尽くしてきた男と、ライクな気持ちしか持てないコーンと、果たしてどちらが君の心を占めていると? 」


「 …っ??! 」



 閻魔様の問いかけに私は即答が出来なかった。


 コーンと敦賀さんなら何度か比べたことがあった。でも私はショータローとコーンを比較したことがなかったのだ。この二人を比べる必要が私の中で全く無かった。


 そんな自分がコーンだと言ったところでこの人はそれを信じない。それどころか敦賀さんを納得させられるだけの理由が思いつかなかった。


 予想もしていなかった指摘に戸惑いだけを覚えて、どう言えばこの人に伝わるのかを私は必死に考えた。



「 答えられないか?確かに俺と会った時の君は気持ちに余裕がなさそうだった。けれど目の前にいたのがコーンではなく俺だと認識した瞬間に君は現実に引き戻されたはずだ。

 そこで不破が自分にしたことを思い出し、心が揺れたんじゃないのか? 」


「 揺れてません!! 」


「 昔はなかった思いやりや包容力を見せられたら大抵の人は今度こそ…と期待を抱く。

 時間をおいてそれを思い出した君はさぞ幸せに満たされたことだろう。事実、そのあとすぐ君は笑顔になった。これで想いが成就したら、のちに美談として語ることが出来そうだ 」


「 そんな未来いらないです!今更アイツから優しくされたところで幸せになんか絶対なれない!事実、アイツにキスされたって心なんか一ミリだって動かなかった!

 もし私がアイツのことで幸せをかみしめることが有るとしたらそれは一つしかありません! 」


「 それは? 」


「 ……芸能界で……地味でつまらねー女と思っていた私に追いつかれ、焦りまくるアイツが誰よりも伸ばしまくったあの鼻っ柱を叩き折り、アイツのプライドを完膚なきまでに打ち砕いた時です!私の前で脱力しまくるアイツに追い打ちをかける痛烈なハリケーンパンチを見舞って、私の前で涙を流しながらアイツがギャフンと言ったときが最高潮!復讐劇の幕引きはそこだと私は決めていますから!! 」


「 ……っっっ!! 」



 一気にまくし立てた私を見下ろした敦賀さんが、顔色を変えずに自分の右肩に顔をそらした。

 左手がゆっくりと持ち上がり、口元を隠すように静かに重なる。


 その様を、私は不思議な思いで見ていた。



 ……この人、今度こそ笑っていない?

 いえ、私の気のせいかしら。


 そんなことより、あとどのぐらい釈明文を叩き出せば敦賀さんは私を信じてくれるだろう。



「 ……君がアイツに恋をすることは二度とない? 」


「 ありません!!! 」


「 何度キスをされても? 」


「 何度もなんておぞましいことを聞かないでください!確かに私、二度目はないって言われていた誓いを破ってしまって、それは言い訳のしようもないです。でもっ!! 」



 そうだ。

 命にかえても守り抜く…と誓ったはずだったのに、結局私はその約束を守れなかったのだ。


 ショータローのことだけじゃなく、敦賀さんの怒りはそこにも向けられているのかもしれない。



「 一応確認するけど 」


「 はい…… 」


「 その身の純潔を命にかえても守り抜く、と俺に誓ったそれを君は… 」


「 忘れてません。覚えています!! 」


「 そう。その誓いは、コーンを前にしても守られるものだろうか? 」


「 え? 」


「 アイツに恋をすることは二度とない、ということはいま聞いた。でも、今はライクでしかないコーンへの想いがいつかラブに変わる日は来るかもしれないだろう?それでも君は俺との約束を守るのか?

 呪いを解くキスをする前、コーンは君を愛していると言ったんだろう? 」


「 ……っ!! 」



 言った、言いました!!あの天然妖精王子!


 よりにもよって敦賀さんの顔と声で!

 敦賀さんの顔と声で!!!



「 どうした?コーンと両想いになったとしても君は俺との約束を守るのか? 」



 コーンを愛する可能性?それを考えただけで胸が痛む。


 コーンに惹かれるものはある。けれど私は結局、目の前のこの人のことが好きなのだ。

 この恋心を地獄まで持って行くと覚悟を決めてしまうほど。



「 これも答えないのか? 」



 そういえば思い出した。

 敦賀さんが私に言った 『 二度目はない 』 は、ショータローに限定されたことだったはずなのだ。


 コーンとしたキスの話を敦賀さんは穏やかな笑みで聞いてくれた。なのにどうして今はこんなに責めてくるのだろう?


 まるで束縛しようとするみたいに。

 まるでコーンに妬いているみたいに…。



「 ふやぁあぁぁぁっっ!!!違う、ダメダメ!!そっちのほうに妄想しちゃダメ!! 」


「 なに? 」


「 ああっ!!やだ、いま声に出ていました?違うんです!ちょっと変な妄想しちゃって… 」


「 変な妄想?一体どんな… 」


「 言えません!申し上げられません!忘れてください!! 」


「 ……ほう?閻魔の質問に答えられないと?それは舌を抜かれてもいいということか? 」


「 ひいっ!違います!!だって私、嘘はついていないじゃないですか。ただ言えないって言っているだけで… 」


「 隠し立てしようとしている時点で罪は確定だ。言わないなら舌を抜く。ほら、口を開けて 」


「 やだ、ヤです!!言えないですぅぅぅ!!! 」


「 じゃあ言えない理由を述べよ。詳細に、的確に、包み隠さず 」


「 そんなの無理です!暴露しているも同じじゃないですか! 」


「 そう思うなら言えばいい。それとも地獄に落とされたいのか?君はどんな地獄を望む? 」



 どんな地獄?

 それは言えば叶うこと?


 あなたと一緒にいられるのなら、地獄の底でも厭わない。



「 言わないなら舌を抜く。いいね? 」


「 嫌です、いやっ!!! 」


「 問答無用だ 」


「 やだ、敦賀さん、やっ…… 」



 伸びてきた手が私を捕え、閻魔様が覗き込む。


 私を見下ろす細められた瞳の揺れを見て、なぜかコーンの瞳を思い出した。



「 ……っ!!!! 」



 唇に口が重なり、力づくで暴かれた。

 防御も出来ずに舌が幾度も吸い上げられる。



「 ……あ……や、だ、敦賀さん…… 」


「 言わなくても分かっているよ。本当はコーンとの再会のキスを想像したんだろう?俺に誓ったくせに。その純潔を守り抜くと…… 」


「 ちが……違います!!! 」


「 何が違う? 」


「 私はただ…………って考えただけです


「 え? 」


「 まるで敦賀さん、コーンに嫉妬しているみたいって。私を束縛しようとしているみたいって……。そんなこと、あるわけないのに


「 しているんだよ!いい加減、気づいたっていいと思う 」


「 え? 」



 再び閻魔様の罰がくだって、強く舌が吸い上げられた。

 それを享受しながら私は昼間の事を思い出した。



 ちょっと待って。

 もしかして、私の未確認アンテナが感知していたのはもしかして……。



「 ……っっっ…… 」



 私を見下ろす閻魔様を見上げて

 その切なそうな表情に私は釘付けになっていた。






     E N D


あれ?キョーコちゃん、ゲロるに至らなかった…。


あのね!二人の仲がこじれたほうが原作の連載は長く続きますよね!でもイチャイチャな二人を見たいのはファンの心理。…ってことで、こんな感じにしてみました。


色々思うところはあるでしょうが、どうか腐ることなく二次の世界でフラストレーションを和らげていただけたら、と思います!!



⇒ACT.267続き妄想続き◇あなたに釘付け・拍手

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