レース・ローズ ◇1 | 有限実践組-skipbeat-

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 エ………えへ♡ | 壁 |д・) いちよーでっす。

 また連載始めちゃった。まだ完結になっていない連載があるのに節操なくてゴミン(笑)


 このお話は、2018年7月までに500記事記念リクが完結したら、そのあと連載しようと準備していたお話です。

 つまり、夏がスタートのお話だったり(笑)


 季節外れだけど準備をしていたのでやっぱり書きたくなってしまいました。

 ちなみにラストまでの流れは出来ていますが、細かいプロットが立っておりません。ので途中で止まったらごめんなさい(笑)


 現時点では10~15話程度かな、という目算ですが、内容の膨らませ方でそれ以上になる場合もあるかと思います。

 楽しくお付き合い頂けたら嬉しいです。


■ レース・ローズ ◇1 ■





 手芸作家の京子、こと最上キョーコとの出会いは夏だった。



 眩しい日差しが容赦なく降り注いだ都内昼下がりのスクランブル交差点。信号が青に変わったと同時に俺は機械的に踏み出した。


 平日2時を回っていたこともあって通りは混み合ってはおらず、それどころか人影はかなりまばら。

 視野に入る人たちは自分と同じスーツスタイルのサラリーマンばかりだった。



 外にいる時は常に前を向いて、特に意識をして女性を避けていたはずなのだが、そんな景色だったこともあってそのとき自分は余り周囲に気を向けてはいなかった。

 さらに契約締結直後ということもあって達成感が自分の気持ちを緩めていた。



 交差点のほぼ中央に達した。

 ビニール袋特有のカサカサ音が聞こえたと同時に誰かと肘がぶつかった。自分の足元に何かが降り立ち、瞬間、またか…と思う。


 すれ違いざまに意図的にぶつかって来たり、またはそのタイミングで物を落としたりするのは女性の常とう手段なのだ。案の定、聞こえてきたのは女性の声だった。


 気を抜きすぎていた。俺は心の中で舌を打った。



「 あっ、ごめんなさい!失礼いたしました!! 」


「 ……ふぅ 」


 せっかくいい気分だったのに、と溜息を吐いてしまった。

 拾ってやる義務などないのでいつもなら知らぬ顔で立ち去っている所だ。


 けれど皮肉なことに交差点は本気で人がまばらで、彼女が落としたそれを自分の代わりに拾ってくれそうな候補者すら自分らの周りに居なかった。


 ギャラリストなんて商売をしている以上、人が少ないとはいえこんな目立つ場所で下手なことは出来ない。


 致し方なくもう一度溜息をついてから腰を曲げた。

 俺がそうしている間にも女性の気配が遠ざかる。俺は慌てて声をかけた。追いかけてやる気など微塵もなかった。



「 君、荷物落ちたよ! 」


 手早く拾った落とし物はビニール袋に梱包されていた。それはひと目で手作り品だと判る小さなバッグ。

 自分の手の平にすっぽり収まってしまうほど小さいそれに俺は思わず見入った。



 なんだ、すごく精巧な作りだな。

 もしかしたらミニチュア作家が作ったものとか?



「 君、これ落ちたよ…って…… 」


 肩越しに振り向くも返事は返って来なかった。

 慌てて辺りを見回した。



「 え… 」



 実は自分の記憶にある彼女はパンパンに張らした布製の大きなバッグをいくつも両腕に下げていた。それが女性だと認識できなかったのはその人物が更にいくつかの段ボールを前に抱えていたからだ。


 大荷物を携えている人がいる。そんな認識しか自分にはなかった。

 またそんな風だったからこそ彼女は前が見通せなくなっていたに違いない。



 自分の記憶にある限りではこの交差点で荷物まみれの人物など二人といないはずだった。しかし不思議なことにこのバッグの落とし主らしき人を見つけることは出来なかった。



 クラクションが聞こえた。

 いつの間にか信号が変わっていた。


 慌てて横断歩道を渡り切り、もう一度交差点を振り返る。

 見つけられないだろうか。そんな思いだった。その時の自分は、自分に対する粉かけだとすっかり思い込んでしまっていた自分のそれを少々恥ずかしく思っていた。



「 これ、もしかしたらどこかに納品に行く途中とかだったんじゃないか? 」



 そう思えるほどそれは立派な作りだった。

 商品として十分扱えるレベルに見える。


 自分の手の内に残った梱包済みのミニチュア・バッグをマジマジと眺めた俺は、それをひっくり返してあることに気付いた。



「 あれ。これ、カバン型のキーホルダーなんだ。バッグの裏面にKの刺繍がある。しかし、本当に見事なほど精巧な作りだな 」



 この地はなじみの場所ではなかった。普段、自分が通り過ぎる場所でもない。

 けれど先ほど契約を済ませて来たばかりだ。これからは仕事で行き来をすることもあるだろう。



「 ……それでも、返せる可能性は万分の一ってところだろうけどな 」



 どうせもう会えないに違いない。そんな予感が先に立つ。

 そもそも自分は落とし主の顔すら見ていないのだ。たとえどこかでバッタリ出会ったとしてもその本人だと判る材料を持ってはいなかった。


 加えてもしかしたら彼女自身、自分が荷物を落としたことに気付いていないのかも知れないのだ。


 だとしたら自分がこれを持ち歩くことに意味は無いような気がした。

 けれど……



「 けど、捨てるのは勿体ないよな、これ。こんな精巧な手作り品、さすがに無下には出来ないし。

 …ということで、自分の車のキーにでもつけるか 」



 手作り品ならもしかして、虫よけくらいにはなってくれるかもしれない。



 そんな軽い気持ちで俺は

 拾ったキーホルダーを胸ポケットにしまい込んだ。






 ⇒レース・ローズ◇2 に続く


思いついたの3年前。軽くメモした程度でずーっと放置しておりましたが、夏が来るたびに書きたい…と思って2年以上が過ぎてしまいました。


スポーツカーと執筆のタイミングはあっという間に過ぎ去りますな♡

あははは(〃∇〃)



⇒The Lace Rose◇1・拍手

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