いつもありがと、いちよーでっすо(ж>▽<)y ☆
本日お届けするのは発掘品。ちょ~お久しぶりの名もなき他者視点妄想。
キョーコちゃんが紅葉役を演じている間にこんなことあるかも知れないよ妄想!←どんどん種類が増えている。
あるかも知れないよ~。
■ 真善美なオトコ ■
オタク…という言葉がある。
俗に、病的なまでに趣味に懲り、一人愉しむ若者のことをさす言葉らしい。
20代前半である自分はもしかしたらその枠に入るのかもしれない…が、自分自身ではそんなことはどうでも良かった。
幼き頃、奥ゆかしき忍者に心を奪われ、一心に傾倒してきた。小学生の時点で自分の一人称を拙者と決めたのも忍者に心を奪われたが故。
そんな拙者をバカにするやつは大勢いた。珍しくも何ともなかった。陰口をたたかれることも日常茶飯事だった。
だが、それをされたからといって忍者に対する情熱は萎えることが無かった。
結果、拙者はその功績が認められ、とうとう芸能界からオファーが来るまでに至った。
これこそ素晴らしき忍者ドリーム!!
だが夢はこれだけにとどまらなかった。
なんとこれをきっかけに、拙者は自分が理想とするくノ一と出会うことが出来たのだ!
彼女は拙者が文句なしに認める忍者。もし、この子は本物の忍者の末裔だと紹介されたら、それを本気で信じるほど彼女の振る舞いは本物だった。
紅葉を演じる役者の京子に、正直拙者はメロメロだった。
「 紅葉、おはようでござる。本日のお加減はいかがですかな? 」
「 ……おはようございまする。もちろん本日も体調は万全に整えて候… 」
「「 ぷっ!!!」」
ただ忍者らしい忍者を演じる役者…というだけではなく、撮影現場でこんな風に、京子はいつも拙者の言葉にそれらしく応じてくれる。
それがとても嬉しいと思った。
つまり拙者は紛れもなく彼女のファンに。
京子は目立つほど美人ではないけれど、可憐な花に違いはない。
それもまた、人ごみに紛れ、目立たない様に行動しなければならないくノ一のリアルを垣間見ているような気がして、拙者は京子から目が離せなくなっていた。
「 忍者さん。今日は初道具を使うんですよね? 」
「 うむ。使い方はあとで拙者が教えて進ぜよう 」
「 は!よろしくお願い申す! 」
芸能界から拙者に来たオファーとは、忍者道具についてだった。
その昔、忍者は忍術を使って密偵・謀略・後方攪乱・暗殺などを行っていたのだが、その都度ふさわしい道具というものが存在する。
中には見ただけではどんなふうに使うのか見当もつかないような物もあって、それを拙者が指導しているのだ。
ちなみに初めて京子と挨拶をした日、京子から名前を聞かれた拙者は忍者としての名はない…と答えた。
大抵の人間はこう返事をするとそのあと会話が続かない。
だが京子はこう訊ねた。
「 じゃあ忍者さんとお呼びしてよろしいでしょうか 」
なんと粋なことを言うのか。拙者を忍者と?それは是非とも呼ばれたい!!
心の中で絢爛の花を咲かせながら拙者は満面の笑顔になった。
「 うむ。苦しゅうない 」
以降も京子は拙者と普通に会話をする、大変良いおなごである。
こんな子もいるのだな、と拙者はこの仕事が一気に楽しくなったのだ。
敦賀蓮が来るまでは……。
その日も拙者は京子と楽しく会話をしていた。
忍者の話をすればするほど京子は熱心に拙者の話を聞いてくれる。
それが嬉しかったのだ。
だがどうやら敦賀蓮はそれが面白くなかったらしい。
先輩風を吹かせて後輩の撮影現場に顔を出した敦賀蓮は、京子が撮りで拙者から離れている間に人懐こそうな笑顔を浮かべつつも眼光を鋭く光らせた。
「 いつも俺の後輩に色々良くして下さってありがとうございます。忍者についてのあれこれを教えて下さっているのはあなたですよね? 」
「 彼女がそう言っているのならそうであろう 」
「 ええ、間違いないです。忍者についてとても物知りな人が居て、面白い話をしてくれるだけじゃなく、的確なアドバイスまでくれるのでとても助かっているという話をあの子から聞いていますから。俺もお礼を申し上げます。ありがとうございます 」
なぜお主が拙者に礼を言うのだ。
「 別に。これは仕事でもありますゆえ 」
「 そうですね。……でも、いいですか? 」
「 うん? 」
「 あなたがどんなにあの子の心を掴もうと、あの子は俺のものですから 」
「 ……っっっ??!! 」
鋭く尖った視線の刃が拙者にぐさりと突き刺さる。
何を言われたのかと敦賀蓮のセリフを脳内でリフレインしながら目をぱちくりさせてみた。
なんだ?
もしかしたらいま拙者はこの男から牽制を掛けられたということか?冗談であろう?
若手実力派№1の敦賀蓮に?
抱かれたい男№1の敦賀蓮に?
拙者とは比べるべくもないほどの高身長、超絶イケメン、実力派男が、忍者おたくの拙者にか……?
「 あれ?敦賀さん。いらしていたんですか?びっくりしました 」
「 お疲れ様、最上さん。ちょっとお話したい方がこの現場にいらしてね。お邪魔させてもらったんだ 」
拙者と敦賀蓮の会話はこれで終わってしまったが、拙者にとってはまさに衝撃的な出来事だった。
まさか拙者が敦賀蓮から牽制を受けるとは!!もしかしたらこの男は拙者が京子をどうにか出来ると思ったのだろうか…。そんな夢にも無いこと、あるはずが無いとは考えないのか?
いや、まさか…という考えのあとで、けどそうか、と思った。
京子が所属している事務所の先輩である敦賀蓮は、恐らく見た目や噂話で人を判断しない男なのかも知れない。
自分が感じたものだけを信じ、自分が得た知識だけを元に、誰の意見にも左右されずに判断を下す男なのかも。
なんとそれはまるで忍者ではないか。
己が培った能力を武器に、あらゆる情報を収集して正しく自己分析、自己解析を踏まえた上で判断を下す。まるで実力派の忍者のよう!!
なんと素晴らしき真善美な男か!!
拙者ではない。
この男こそ、くノ一京子の相手に相応しい!!!
「 忍者さん、おはようございます!!本日もよろしくお願いします 」
「 うむ、おはようでござる。時にお主の事務所の先達であられる敦賀蓮殿はあれきり姿を見ないが……ご健勝かな? 」
「 え?敦賀さんですか?はい、お元気ですよ。昨日もちょっとでしたけどお会いしましたから間違いないです 」
「 うむ。それは良きことかな。ぜひ、拙者がよろしゅう言っていたと申し伝えたまえ 」
「 は!承りましてございます! 」
これ以降、拙者は敦賀蓮と京子のカップリングを心の底から切望しておる。
E N D
真善美(しんぜんび)…認識上の真と、論理上の善と、審美上の美。人間の理想とされる三つの価値概念のことです。
一般的には『理想』 的という言葉をよく耳にすると思いますが、実はこの言葉は二つの意味に分類出来るのです。
つまり、「実現可能な相対的理想」(現実)と、「到達不可能な絶対的な理想」(神)に。
真善美とは正確に言うと後者を指しますが、キョーコちゃん曰く敦賀蓮は神ですから!!到達不可な絶対的理想者が存在しているという矛盾はこの際脇に置いといて(笑)
キョーコちゃんの他にもう一人ぐらいそんな事を考える奴が居て、秘かに二人を応援している図もいいかなって思って。
ここでおまけをつける奴↓
■ 真善美な男の実情 ■
泥中の蓮の撮影が始まってから、あの子に探りを入れて知ったこと。
どうやらその撮影現場の中に、最上さんが役者よりもっと親密に仲良くしている男がいるらしい。
話に聞くと忍者のことにとても詳しい専門家だといい、様々な道具の使い方を説明してくれるだけでなく、的確にアドバイスまでくれるとても頼りになる上に非常に面白い人だと言う。
そうまで聞いて放っておくことは出来ない。
あの子の心を少しでも掴もうとする男がいるならそれを抑制しておかないと。
「 あなたがどんなにあの子の心を掴もうと、あの子は俺のものですから 」
「 ……っっっ??!! 」
分かり易く牽制をして来たつもりだけど、効果があったのかどうかは後日にならないと判らない。
数日後、俺はそれとなく最上さんに探りを入れた。
効果が無いようなら再び相まみえるつもりでいたのだ。
「 最上さん 」
「 敦賀さん、お疲れ様です! 」
「 お疲れ様。今日はもう撮影終わったの? 」
「 はい、終わって来ました 」
「 そう……。どう?撮影は順調?そう言えばこの前、君が言っていた忍者に詳しい男の人とね、俺、少しだけ話をすることが出来たんだ。君の言葉通り、本当にいい人そうだったね。面白い話は聞けなかったけど 」
「 そうだったんですね。あ、だからかも? 」
「 なに?何かあった? 」
「 いえ。実は忍者さんから伝言をお与かりしていたんです。敦賀さんにと 」
「 え?なに? 」
「 ぜひ、よろしゅうと申し伝えよ、と 」
「 ………うん? 」
「 敦賀さんとお話してから忍者さん、敦賀さんのファンになったみたいです。私にも色々敦賀さんの話を聞いてきますよ。スゴイですね、敦賀さん!男性からもモテモテじゃないですか!! 」
「 そう。それは、嬉しいような、嬉しくないような? 」
牽制した意味はあった…ということだろうか。
それが良く分からなかったので、結局後日再び最上さんの現場を俺は訪ねた。
⇒顔を合わせた途端に忍者さんがくノ一の落とし方を伝授(笑)とかならさらに面白い。
⇒真善美なオトコ・拍手
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