どぅも、一葉です。(#⌒∇⌒#)ゞ
バレンタインとっくに過ぎ去ったのにまだバレンタインネタを書くのか…とお思いの方もいらっしゃるでしょうが(笑)、長くお付き合い下さっている方ならこれがどんな状況から来ているものなのか、恐らくピンと来ていると思います。
そう、私、連載執筆がちっとも捗っておりません…
だから余計に妄想が膨らんでしまうんです。頂いたコメントを拝読するだけで…(///∇//)ふふ
タイトルから中身はだいたい予想が付くかと思いますが、お愉しみ頂けたら嬉しいです♡
■ 妖精王子のバレンタイン ■
2月14日、バレンタイン。
この世で最も愚かな日としてベインデーと命名したこの一日が、ようやく終わりを告げようとしている。
星空が瞬く夜空を見上げて
下宿先のだるまやに向かう道すがら、ふと歩みを止めて私は深い溜息を吐き出した。
……いいの。
今年も無事、敦賀さんには日頃の感謝を込めた贈り物が出来たから。
最上さん、ありがとう…って
眩しい笑顔をたたえてくれたその時の敦賀さんを思い出し、微かに頬が熱くなる。
本当にささやかなそれでしかないけど、私は充分幸せなのだ。
だからこれで構わないと思った。
足元に視線を落としたまま一歩を踏み出し、逆の足を前に送ってさらに一歩を重ねる。
緩んだ頬が再び引き締まったのを自覚したとき、さすがに前を見なきゃ危ないわ…と顔を上げた私は一瞬呼吸を忘れて目を見開いた。
そこに、思いがけない人が立っていたから……。
「 ……え?……え? 」
「 キョーコちゃん 」
もう既に夜中の頃合い。
にも拘らず、惜しみなく輝く金の髪。
近付いて来る彼の瞳は記憶通りの色味で
ミスティックグリーンの瞳に食い入りながら私は思わず苦笑を浮かべた。
「 ……コーン…… 」
私、またやっちゃったんだと思った。
キョーコちゃんと呼んでくれたコーンの声が敦賀さんにそっくりなのは、きっと私がさっき敦賀さんを反芻していたからに違いない。
姿もやっぱりコーンは敦賀さんそっくりで
それとももう、コーンが人間界に来る時はその姿と声に決まってしまったのかな、と考えた。
「 こんばんは、キョーコちゃん。良かった、間に合った 」
「 え? 」
小走りで、あっという間に私の前に佇んだコーンを見上げる。
私もまた蜜に誘われる蝶々のように数歩コーンに近づいた。
「 間に合った…ってなに?コーン 」
「 判らない?俺、キョーコちゃんに会いに来たんだ。今日、どうしても会いたかった 」
私の顔を覗き込むように小首を傾げ
目を細めてクスリ…と笑う仕草さえ敦賀さんを彷彿とさせる。
敦賀さんにそっくりな出で立ちのコーンに私は質問を浴びせた。
「 え?どうして?何かあったの? 」
「 どうしてって…。今日、バレンタインだから 」
「 へ? 」
「 人間界ではさ…。あ、違うか。日本ではバレンタインって女性が好きな男性にチョコを贈る日なんだよね? 」
「 うん、そう…だけど…… 」
「 でも妖精界では逆なんだ。男性が、心から愛している生涯ただ一人の女性に愛を囁く日なんだよ。だから俺、どうしてもキョーコちゃんに逢いたくて…… 」
コーンはそう言って神々しく笑ってみせたけど
私はコーンの言葉を上手く飲み込むことが出来なくて
何度も頭の中で反芻していた。
……女性に愛を囁く日?
妖精界のバレンタインが?
それはいいけど、でもコーン、いま私になんて言った?
心から愛している、生涯ただ一人の女性????
「 ……っ…えええっっ……ふぐっ!! 」
「 キョーコちゃん、反応遅すぎ。それにヤバイって。声大きいよ。いまもう夜中だよ? 」
だって
突拍子もないことコーンが言うから!!
「 ふぐふぐ、ふがふがっ……っ!! 」
「 可愛い。キョーコちゃん、愛してる 」
「 ……っ!!!! 」
私の口を塞いだコーンの手が、爽やかに空を踊って私をギュッと抱きしめる。
その瞬間、セツカとして敦賀さんのそばにいたとき、カインだった敦賀さんに抱き締められたことを思い出した。
抱き締める感触まで寸分違わずコーンのそれは敦賀さんとそっくりだったから。
「 …コ…… 」
「 キョーコちゃん。俺ね、キョーコちゃんに伝えたいことが出来たんだ 」
「 伝えたいこと? 」
「 そう。あのね、つい先日のことなんだけど、妖精界の在り方が変わったんだ 」
「 え? 」
「 俺、前に言ったよね。人間界と妖精界は時間の流れが違うから、同じ時を生きることは出来ないって。だけどキョーコちゃん、俺の呪いを解いてくれただろう。
あれから妖精界に変化が起きて、人間界と同じ時間の流れになったんだよ! 」
「 ……そう、なの? 」
「 そう!だから俺、キョーコちゃんと一緒に生きることが出来るようになったんだ 」
「 えええっ。うそ。本当に?! 」
「 本当だよ。ね!キョーコちゃんのおかげだよ。君が呪いを解いてくれたから。
だから俺、プロポーズしに来たんだよ 」
「 へ? 」
「 言っただろう。バレンタインは心から愛している生涯ただ一人の女性に愛を囁く日だって。この日をずっと待っていたんだ、俺 」
「 まっ……待って、コーン。ダメよ、そんなの 」
「 ダメ?何がダメ?キョーコちゃんは俺が嫌い? 」
「 そんな言い方はズルイ!私がコーンを嫌いな訳ない!! 」
「 ……じゃあ、何がダメ?俺、キョーコちゃんを置いて行ったりしないよ?一人にしたりしないよ? それでもダメ? 」
「 だめ。だって私、まだ役者として未熟だもの。いつか誰からも一流だと言われる役者になりたくて頑張っている途中なの。……そう、敦賀さんのような…… 」
「 プロポーズの返事は直ぐでなくていいよ?結婚だって今すぐって話じゃないし。それでも? 」
「 ……それでも… 」
「 キョーコちゃん。どうして?それ、俺の耳にはこう聞こえる。キョーコちゃんが躊躇っている理由は役者にかこつけているだけで、本当はツルガサンだって 」
コーンは私を抱きしめていた力を緩め、その場に腰を落とした。
片膝を立て、もう片膝を地に落とし、私の右手を両手で掬って下から私を見上げる。
そんなコーンを見下ろして
本当に、敦賀さんそっくりだな、と思った。
「 キョーコちゃん。ツルガサンはキョーコちゃんの恋人でも何でもないんだよね?前にそう言ったよね? 」
「 ……そう。私が敦賀さんの恋人になんてなれる訳ない 」
「 え? 」
「 でもごめんね。コーンのことは大好きよ。でも私は…… 」
「 俺を大好きならどうして俺のプロポーズを躊躇うの?キョーコちゃんにとってツルガサンは特別なヒト? 」
「 特別と言ったら特別よ。だって敦賀さんは演技の神様だもの 」
「 ……じゃあ聞くけど、キョーコちゃんはどっちが好き?俺とツルガサン、比較したらキョーコちゃんはどっちが…… 」
「 ……っっ……どっちかなんて、私… 」
選べない…。本気で思った。
コーンのことは大好きよ。
だけどそれが愛かと問われるとやっぱり答えに迷う。
敦賀さんへの気持ちは、間違いなく愛だと言い切れるのに。
それでもコーンも好きなの。この気持ちに嘘はない。
愛かどうかなんてわからないけど。
「 選べない?それともキョーコちゃんの心ではもう答えが出ているのかな 」
「 コーン。困らせないで、お願い。私、選べないよ。コーンか敦賀さんか、なんて… 」
「 ……それは……俺のこともツルガサンのことも同じぐらい愛してるって受け取って良いのかな。ね、そう?キョーコちゃん。もしかしたらそうなの? 」
「 い……言えない、そんなことは!! 」
敦賀さんへの気持ちは封印したの!
表に出しちゃいけないの。
「 そう……なんだね?言葉にしなくていいから。
キョーコちゃん、態度で教えて? 」
そう言われて困ったけど。本当に困ったけど。でもそういうことなのかなって思った。
言葉にしないならいいかって、それでコーンが納得してくれるならって、そう思って小さくコクンと頷いた。
そんな私を見て、なんだ、そうか…って続いたコーンのそれは
なぜかひどく嬉しそうな声だった。
「 キョーコちゃん 」
「 え? 」
「 大好き♡ やっぱり俺、キョーコちゃんを愛しているんだって実感した 」
「 なっ…やめて、コーン。愛してるなんて言葉、連発しないで!! 」
「 どうして?嬉しいから余計に何回でも言いたくなる。キョーコちゃん。愛してる! 」
「 どうしてこのやり取りの流れで嬉しくなるの?コーンのプロポーズは受けられないのよ? 」
「 受けさせる 」
「 はいっ?? 」
「 いつかね、キョーコちゃんに、はい喜んで…って、言わせてみせるよ、俺 」
信じられないほど勝気な言葉。
自信に満ちた瞳がまっすぐ私を見つめている。
「 どうしてよ。なにその自信? 」
「 それはね…………うーん、まだ言えないかなぁ 」
「 ちょっと!コーン、ここで言えないって言う?普通 」
「 キョーコちゃんだってさっき言ったじゃないか。おあいこだよ 」
「 むううぅぅぅぅっっ!言ってよ!教えてよ、コーン 」
「 じゃあね、俺もツルガサンも同じぐらい愛してるってキョーコちゃんが告白してくれたら教えてあげる 」
「 あ……愛なんて…お願いだから何度も言わないで!! 」
「 なんで?俺は言うよ、何度でも。キョーコちゃんを愛しているからね♡ 」
「 やめてぇぇぇ!恥ずかしくて身悶えちゃうから!! 」
「 身悶える?……あっ、判った!!キョーコちゃんが身悶える理由って、俺の声がツルガサンだからだ。あたり? 」
「 声だけじゃないでしょ!髪と目の色以外は敦賀さんそのままじゃないの! 」
「 あははは。そうだったんだ。なーんだ、判っちゃえば簡単だね 」
「 何が簡単なのよぉぉ!!ちょっ…コーン? 」
「 しっ!声を潜めて、キョーコちゃん。もう夜中なんだから。
ほら、もうすぐバレンタインが終わっちゃう。終わるまでずっと愛を囁き続けるからね 」
「 やだ、そんな恥ずかしいこと 」
「 嫌?じゃあ俺を黙らせたらいいと思う。君の口で俺の口を塞いだらそれができるよ、キョーコちゃん 」
「 ……まさか、コーン……キ…キスしろって言ってるの? 」
「 しろとは言ってないよ。出来るよって言っただけ。どうする?俺はどっちでもいいよ。それで可愛いから抱き締めちゃう。ぎゅー… 」
「 やっ……コーン、苦しい!それにどうして香りまで敦賀さんそっくりなの。徹底し過ぎよ!! 」
「 ん?そうだった?じゃあ俺、いっそのことツルガサンと一心同体になっちゃおうかな。そしたらキョーコちゃんも迷わないで済むよね 」
「 コーン。そんな出来もしないことをさもできる風に言わないで 」
「 え?じゃあ出来たらいい?そしたらキョーコちゃん、俺のプロポーズ受けてくれる? 」
「 どうしてその話に戻るの 」
「 それは俺にとってキョーコちゃんが心から愛する生涯ただ一人の女性だから。
ほら、キョーコちゃん。俺を黙らせたいならココだよ、ここ 」
「 …っ!! 」
「 あれ?もしかしたら照れてる?なんで今さら。俺達、一回ずつキスしたことあるのに 」
「 一回ずつ? 」
「 そう。したよね♡ グアムでお互いにキス。し合ったでしょ? 」
「 ……っっ!!! 」
私のあれはお芝居だったでしょ!…ってそう言ったのに、コーンはまるで聞く耳を持ってくれなくて、しかも変わらない調子でバレンタインが終わった0時を過ぎてもずっと愛を囁き続けた。
それこそ夜が明けるまで。
ベンチに腰を下ろしたコーンの膝に私を座らせ、私に体温を分け与えながら嬉しそうな顔でずっと……。
E N D
帰る時はさぞ後ろ髪を引かれたでしょうな(笑)
ぜひ、バレンタインのみ久遠になって、妖精の国ではバレンタインデーは男性から女性に愛を囁く日だとキョーコに迫って欲しい♡…のコメントに鋭く反応した一葉脳。
勝手にお届けしちゃいましたけど、当初予定していたのはイチャベタする風だったのに、なぜプロポーズをし出したんだろう、コーン。謎。
こんな勝手な妄想ですみません(〃∇〃) お粗末様でした♡
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