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2018年バレンタイン妄想、原作沿い両片想い蓮キョの続きをお届け致します!
前編こちら⇒バレンタイン狂想曲◇前編
■ バレンタイン狂想曲 ◇後編 ■
バレンタイン当日を迎えたキョーコは、ただ尊敬する大先輩に逢いたい一心で、意味もなくラブミー部室と俳優セクションを行き来していた。
何度目かの行き来の際、偶然耳に届いた女性たちのヒソヒソ話。
敦賀くん…のキーワードがいとも容易く自分の足を縛りつけ、キョーコの耳を大きなダンボにさせていた。
「 …ねぇ、敦賀くんって今日、来るとか知ってる? 」
「 あ、来るみたいよ。さっき社さんから連絡があってそう言ってた。今年も荷物すごいって(笑) 」
「 …そか。やっぱねー。……ねぇ、私も敦賀くんにチョコ…渡したらダメよね?実は用意しちゃってるんだけど… 」
「 ダメよ!!松島主任からダメって言われているでしょ!!それに、敦賀くんは受け取るそぶりを見せてくれるかもだけど、社さんが受け取らせないわよ。
毎年の荷物の量、知ってるでしょ?いつも食べきれないほど貰うのよ。お返しを用意するだけで毎年大変なんだから、LMEの社員までそんな事するなって耳にタコができるほど言われているでしょ 」
「 ……お返しなんて要らないのに。ただ渡したいだけなのに 」
「 それでもダメよ。諦めなさい!!敦賀くんだって社さんだって、誰かを特別扱いするなんて出来ないの。あなたのを受け取ったら、LME中の女性全員から受け取らなきゃならなくなる。
どれだけ敦賀くんの迷惑になるか…分かるでしょ? 」
「 …………っ… 」
「 渡せないのは私も同じよ。仕方ないじゃない。それに、松島主任が言ってたわ。食べきれないって判っているからどんなにたくさん貰っても敦賀くんはバレンタインのチョコ、一つも食べないって。
私もそう思うしそれでいいと思う。いくら紳士でもね。敦賀くんはバレンタインのチョコ、食べないのよ。…ね?敦賀くんのために我慢しよ? 」
「 ……うん 」
キョーコがそれを聞いたとき、キョーコは決して落ち込まなかった。けれど、落胆しなかった訳じゃない。
焦がれてやまない大先輩が、毎年食べきれないほどのチョコを貰っているだろうことなど先刻承知。全て食べているはずが無い。
だからこそ自分も同じように渡せるだけで良いと思った。食べてもらえなくてもいいと思った。
だけど、違うのだ。キョーコは考えたことも無かった。
LMEに勤務しているが故に、どんなに渡したいと思っていても、それすら禁止されている女性達がいたことなど。
渡したくても渡せない女性がいる現実を、キョーコは想像したことすら無かった。
「 ………想いなんて伝わらなくていい。渡せるだけでイイってそう思っていたけど、立場を変えると図々しいの極みだわね、私って… 」
想いを伝える気などこれっぽっちもないくせに
後輩という立場に甘えて、食べてもらえなくてもいい…なんて考えながら、ちゃっかり手作りチョコを用意した自分を本当に愚かな女だと思った。
想いを伝えたくても
伝えられない女性が自分の目の前にいるっていうのに。
「 ……っ!!! 」
踵を返したキョーコが向かった先は、今日、何度目の戻りかというラブミー部室。
中に入るなり用意してあった箱をバッグから取り出し、綺麗にラッピングした包みをバリバリとはがした。
乱暴にイスに腰かけ、蓮のために心を込めて作ったチョコを一粒つまむ。
それを口の中に放ると柔らかな甘さが拡がって、キョーコの目が涙で滲んだ。
――――――― うん。味しいよ、最上さん。
脳裏に蓮の笑顔が浮かんだ。
本当に、なんて愚かな女だろう。
食べてもらえなくていい…なんて言い訳してたくせに、自分はいつの間にかそういう想像をしていたのだ。
自分が心を込めて作ったこれを
笑顔で受け取ってくれたあの人が
その場で包みを開封して、チョコを食べてくれるような気がしていた。
たぶん、ワインゼリーの時の印象がそれを容易に想像させたのだろうと思う。
そしてもしかしたらこのチョコを喜んでくれるかも…なんて期待していた自分に、ひどい腹立たしさを覚えた。
「 ……っ… 」
――――――― でも、食べてもらいたかったの……
想いを伝えたりすることは
あの人を苦しめることになると知っているのに
それでもやっぱり恋しくて……。
目に涙が滲んで、一粒がほろりとこぼれ落ちそうになったとき
部室の扉が空咳を発した。
コンコン…と聞こえて社と蓮が顔を出す。
キョーコは慌てて涙を拭った。
「 ……キョーコちゃん、いたんだ。ごめんね、お邪魔していい?ちょっと休憩させて~ 」
荷物は先に俳優セクションに置いてきてしまったのだろうか。
キョーコの目に映る二人の荷物はいつも見かけるようなそれしか携えていなかった。
「 社さん…。はい、どうぞ? 」
「 俺もいるんだけど。ごめんね?最上さん 」
「 敦賀さん……っ… 」
焦がれた時には会えなくて
気持ちを切り替えてから会ってしまうなんて本当になんて皮肉だと思った。
それでもキョーコは精一杯の虚勢を張って、なんとか笑顔を浮かべた。
「 お二人ともどうぞ。あ……お茶、飲まれますか?いまお淹れしますね 」
「 ありがとう。……あれ?最上さん、これ君の?チョコ食べていたんだ 」
「 はい。…あっ!!それ、バレンタインじゃないですよ。ただのおやつチョコです! 」
「 ……え?でもキョーコちゃん。これ、手作りじゃない?なのにバレンタインのチョコじゃないの?なんか、包み紙がボロボロだけど… 」
「 違います、社さん!!それはおやつチョコです!!すみません。今年は私、どなたの分も用意しておりませんから。ほら、ご存知ですか?某有名チョコメーカーが義理はやめようって言い出したのを 」
「 あ、知ってる。結構話題になってるよね 」
「 ……最上さん。おやつチョコならこれ、俺、一個食べてもいい? 」
思わぬ蓮からの申し出にキョーコは目を丸くした。
まさか大先輩がそんなおねだりを言うとは予想すらしていなかった。
「 …でも… 」
「 ん? 」
「 だって、敦賀さん。それ…手作りですよ?実は私が作ったチョコなんです…けど… 」
「 そうなんだ。スゴイな、美味しそうだね 」
「 ……やっぱり手作りじゃないか。…ってことはやっぱりこれ、キョーコちゃんが用意したバレンタインチョコじゃ… 」
「 最上さん、俺、いい? 」
「 いい……です、けど 」
「 けど? 」
「 敦賀さん。バレンタインにチョコ食べるなんて…大丈夫なんですか? 」
「 …それどういう意味?だいたいこれ、おやつチョコなんだろう?さっき君、バレンタインチョコじゃないって言わなかった?それともやっぱりこれバレンタインチョコ? 」
――――――― 敦賀くんはバレンタインのチョコ、食べないのよ。
不意にその言葉を思い出し、キョーコは急に前のめりになって両手をグーに握りしめた。
「 …っ…そう!!!そうです。それバレンタインじゃないです。おやつチョコですよ!どうぞ!敦賀さん、幾らでもお召し上がりください!!社さんも!よろしければ… 」
「 そう?うん、ありがとう、頂くね 」
自分が演技の神様だと認めたただ一人の男神が
長い指先を操り、自分が真心こめて作り上げたチョコを一粒つまみ上げる。
ひょいっと口に放るその仕草に注視を注ぎ、キョーコはお茶を淹れるのも忘れて蓮を見つめた。
もぐもぐと口元が泳いで、彼の舌で溶かされているのだろうチョコを想う。
胸がいっぱいになるのを感じていた。
「 うん、柔らかい甘さだね。最上さん、美味しいよ 」
「 ……っ……良かった。嬉しいです…… 」
喜びで涙が滲みそうになって、慌てて二人に背中を見せた。
渡せたのとは違うけど
食べてもらえただけで充分すぎるほど幸せだった。
「 最上さん、もう一個いい? 」
「 はい、どうぞ!いくらでも。……いま、お茶をお淹れしますね! 」
こっそり肩越しに振り返り、再び蓮の口に運ばれてゆくチョコを眺める。
突然訪れた喜びに満たされ、目に薄い水の膜が浮かんで、涙が一気に溢れそうになっていた。
「 ……キョーコちゃん? 」
「 あっ!!!はい、お茶!!いまお茶お淹れしますから! 」
「 社さん、美味しいですよ 」
「 …蓮……お前な…… 」
気付け!!…という意味で蓮の頭をどついた社の行動は、後ろを向いたまま懸命に涙を拭っていたキョーコには、気付くことが出来なかった。
E N D
これ、ホワイトデー当日に、ホワイトデーじゃないけど…って態度で蓮くんがうまーくキョーコちゃんにお返ししたらいいよね、と思った(笑)
そして妄想する。後日、番宣なんかで出演した某番組で、今年のバレンタインはどうでした?なんて聞かれた蓮くんが神々スマイル放ちながら
「 今年は俺、バレンタインにバレンタインチョコじゃないチョコを食べて幸せな気分になりました… 」と思いっきり惚気る姿を。
ちなみにあくまでも自分の感覚ですが、もし私がセクションの責任者だったら所属芸能人にチョコを渡すのは禁止するなーと思いました。
こういう行事に参加する意義は人間関係を円滑にするためだとヤッシーが言っていたことも併せて、そもそも事務所側の人間が所属芸能人に負担を強いちゃダメよね…と思って。新人さんならともかく。
バレンタインのチョコね。食べないとか言っても好きな子のは別腹だし♡
しかもバレンタインチョコじゃないなら蓮くんにとって好都合じゃん(〃∇〃)…ってお話。
⇒2018年・バレンタイン狂想曲◇後編・拍手
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