それが世界の終わりでも ◇1 | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 いつもお世話様です、一葉ですヾ(@^▽^@)ノ

 弊宅500記事を記念して、ちびぞう様からお与かり致しました記念リクをお届けいたします。


 こちらは現代パラレル蓮キョです。

 蓮くんは敦賀蓮という日本人であることをご承知おきくださいね☆


 お手数ですがそれ以外の設定はお話を読んで感じ取って下さいませ。ちなみに何話で終わるかは判りません!!


 お楽しみ頂けたら嬉しいです。

 どうぞよろしくお願いしますaya


■ それが世界の終わりでも ◇1 ■





「 敦賀さん。あのっ、私とお付き合いして頂けませんか?! 」



 ひと気のない場所へ呼び出され、二人きりになった場所でそう切り出されて俺は頭の中で深い、深い溜息をついた。


 いま俺に告白してくれたこの女性は、確かお嫁さんにしたい女性芸能人№1だった子だと思う。

 かなり売れっ子の女優さんで、キョーコより二つほど年上だった記憶が何となく浮かんだ。



 脳裏で恋人キョーコの顔を思い出した俺はふと口元が弛みそうになって自然と顔を横に逸らした。


 こんな場面で笑顔を浮かべて誤解されたらそれこそ困る。

 しばしの間に平常心を顔に貼り付け、コホンと一度喉を鳴らしてから改めて向き直った。



「 ありがとう。気持ちは嬉しいけど、でも俺、お付き合いとか出来ないから 」


「 どうしてですか?!私じゃダメってことですか?お試しとかでもダメですか!? 」



 俺の言葉に食い下がった女性に向けて俺は脳内で答えを浮かべる。



 もちろんダメに決まっている。

 俺にはもう恋人がいるのだ。



 モデルとして名が売れる前からずっと俺の心を捉えて離さない、妖精のように愛らしく、どこを見ても可愛いとしか形容できない俺の恋人キョーコ。


 彼女はだるまやの看板娘で、俺は出逢った瞬間、恋に落ちた。



 その時から毎日のように声をかけ、付き合って欲しいと懇願して一年。

 そこからやっとあの子と付き合えるようになってさらに一年の月日が流れた。


 ……のに、他の誰と付き合う気になるだろう。



「 お試し?うん、そういうのをする気も全く無いんだ。誰ともね 」


「 もしかしたら…それって事務所の方針とかですか?だったら隠しておけば大丈夫ですよ。私、口が堅い人だし安心して下さい。だから… 」


「 ……ごめんね。人に隠し事をするような後ろめたい事をするつもりもないんだ。あらゆる意味で 」



 内心うんざりしていたけど、だからと言って無下に振り払う訳にはいかなかった。それこそ事務所が指示している俺のイメージってやつがあったのだ。


 本当に申し訳ないと何度も言って、どうにかこうにか俺は告白現場から立ち去った。





 駆け出しの雑誌モデルの仕事だけをしていた間は、一般的に名前が売れていなかったこともあり、こんな風に芸能人に声をかけられることも街中を歩いていて名前を呟かれることも全くと言っていいほど無かった。


 劇的な変化が現れたのは、昨年マネージャーになってくれた社さんの指示に従いCMに出演してから。


 名前と顔が認知されるようになって嬉しいとは思ったけど、まさかこんな弊害が生まれるとは全くの予想外で、正直鬱陶しいの極致だった。



「 ……CM出演だって、会社に指示されたから出た訳じゃない。本当はキョーコの為にしているんだ、俺は 」



 仕事を取ってきているのは確かに所属事務所に違いない。

 しかし本業であるモデル以外の仕事もこなすようになったのは、キョーコが喜んでくれるからなのだ。


 それに、自分の中に存在するある思惑とも関係していた。



 出会った時は学生服だったキョーコも今はもう19歳。

 誕生日が来れば彼女も成人になる。



 そしたらプロポーズをしよう。

 ずっとそう決めていた。



 そのために少しでも知名度を上げて

 稼げるチャンスを増やしておきたかった。



 24歳の自分と20歳のキョーコでは世間的には若すぎると言われるかもしれない。けれど他者の評価など何の意味があるだろう。

 誰から何を言われようが構わないと思えるぐらい、自分はキョーコに真剣なのだ。




「 恋愛とか自由で平気だって言われて所属契約したけど、今はまだ俺に力が無いから… 」



 キョーコを守れるほど地位を確立していないから、恋人がいるということを公言してはいないけど。

 だからこそ余計、頑張ろうと思うんだ。


 他ならぬ愛しい彼女のために……。




「 蓮、待たせたな 」


 待ち合わせ場所であるテレビ局の喫茶店にようやく姿を現したマネージャーに声をかけられ、俺は素直に顔を上げた。


「 社さん。いえ、それほど待っていないですよ。もう大丈夫なんですか? 」



 社さんは素早く対面に座り分厚い手帳を取り出すと、丁度良くお冷やを持って来てくれたウエイトレスにコーヒーを注文した。



「 俺、コーヒー。ホットで 」


「 はい、かしこまりました 」


「 大丈夫だ。悪いな、蓮。俺、掛け持ちマネージャーで… 」


「 いえ、そもそもモデルの俺にマネージャーが付くこと自体が異例なんじゃないですか?社さんなんて引っ張りだこの敏腕マネージャーなのに、却ってすみません 」


「 何言ってるんだ。そんなことは無いからな!お前は色んなショーにも出ているし、雑誌モデルもこなして、ブランド専属のモデルにもなった上にCMだって出演中のスーパーモデルなんだ。委縮することは無い。

 …で、そんなお前にまたCMの仕事が来たんだ! 」



 喜々とした笑顔を浮かべた社さんとは逆に、俺は眉間に皺を寄せた。



「 え?またですか? 」


「 そ。しかも今回はシリーズもの。少し長めに撮影が入るけど平気だろ? 」


「 はぁ…まあ、スケジュールの調整は社さんがして下さっている訳ですし、大丈夫じゃないとは言い難いです 」


「 なに?乗り気じゃない? 」


「 そういう訳じゃないです。仕事があるのは嬉しいし、それにCMの仕事は拘束時間が短いわりに契約金が高額なのが魅力的です。ただ、また女優さんとの絡みとかじゃないですよね?

 正直に言うと告白されるのも面倒ですし、第一俺、キョーコに嫌われそうな仕事をしたくないんですけど…… 」



 モデルとして仕事を始めていた俺と、所属事務所として正式な契約を結んでくれたのがLMEで、その話を持ち掛けてくれたのが社さんだった。


 きっかけはだるまやで俺が食事をしていて、もちろん社さんも食事に来ていただけだけど、俺が誰なのかをひと目で見抜いた社さんが声をかけてくれたのだ。




『 ――――――― 君、最近ちょくちょく雑誌モデルをやるようになった敦賀蓮くんだよな? 』


『 はい、そうですけど… 』


『 モデルの仕事を続ける気があるのなら思い切ってウチと契約しない? 』




 モデル以外の仕事はしたくない。芸能人として仕事をする気は一切ない。

 恋人キョーコと別れる気はない。


 自分の意思を全て伝え、オールOKで受け入れると約束してくれたこの人が、契約後に俺のマネージャーとなってくれた。


 芸能人として仕事をする気はないと言ったけれど、さっきも言ったようにCM出演の契約料は決して見過ごせない金額で、加えてモデルとしての仕事をもっと増やすための試金石になると教えられ、納得した上で出演を決めたまでは良かったのだけど……。


 なんとなく、最近俺はこの敏腕マネージャーに踊らされているような気がしている。



「 なんだ?もしかしたらあのCMがきっかけでキョーコちゃんに捨てられちゃいそうなのか? 」


「 なっ!!…んてことを言うんですか!違いますよ、冗談じゃない!! 」


「 くっ…。冗談だよ、蓮 」


「 冗談になってないです!そんなことになったら俺、しばらく仕事をしませんから! 」


「 それは困るな。事務所としてもマネージャーとしても蓮のこれからに期待しているんだから 」


「 だったら俺が仕事を辞めなくて済むような内容のを選んで持って来て下さい 」



 仕事があるだけ贅沢だって言われても仕方が無いけど、そもそもモデル以外の仕事をこなしている理由のほぼは、恋人キョーコの笑顔が見たいからなのだ。



 なのに仕事だとはいえ、キョーコ以外の女性と抱き合う羽目になるなんて…。



 だいたい、自分の恋人が自分の知らないところで別の女性と抱き合っているシーンなんて、たとえ演出だと判っていても見ていて気持ちのいいものじゃないだろう。



 キョーコはそれに対して何も言わなかったけれど、何も言わないキョーコを見た自分がそれを嫌だと思った。




 そんな顔をさせたい訳じゃない。

 俺はただ君の笑顔が見たかっただけなんだ。



 どんなに綺麗な女性に告白されようとも自分の気持ちがビクともしないのは百も承知している。

 だからこそ、余計にキョーコの笑顔が曇るようなことをしたくないのだ。たとえそれが仕事だとしても。



 真剣そのものの真顔で社さんを見つめた俺に、社さんは実にのんきな笑顔を浮かべた。



「 大丈夫だ!これは絶対、キョーコちゃんも喜んでくれるから!! 」


「 コーヒー、お待たせしました 」


「 あ、ありがとう。蓮はおかわりするか? 」


「 ……いえ、結構です 」




 キョーコも絶対よろこぶ?

 なにを根拠にそんな事を。



 運ばれて来たコーヒーを美味しそうに口に運んだマネージャーの顔に浮かんだ、やけに自信たっぷりな笑顔を見て、俺は心の底から胡散臭いな…とその場で小さく口を尖らせた。



 当然、予想なんてしていなかった。

 まさか新たに舞い込んだこのCM出演がきっかけで、百も承知していたはずの自分の気持ちがぐらつくことになるなんて。



 このとき俺は夢にも思っていなかった。





 ⇒それが世界の終わりでも◇2 へ続く


繰り返しますがこのお話は現代パラレル蓮キョですよ♡

次もどうぞお付き合い下さいね♪



⇒それが世界の終わりでも◇1・拍手

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