SS 恋のトリコ | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 一葉です。なんだかんだ言って思いついてしまったのでお話をUPしておきます。

 本日のは原作沿い両片想い蓮キョです。

 

 明日はハロウィン。曜日の都合もあってこれを楽しむ人は今日の方が多いのでしょうね。

 そして昨年、このネタでお話をUPしたような気がして記事をひっくり返してみました。

 

 タイトルを見て 『 あら、これって去年だったのね 』 とちょっと驚き。

 個人指導シリーズ、結構面白かったよねw ←自分で褒めるとか。どんだけ

 

 本日のは続きませんよ。そして少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。


■ 恋のトリコ ■

 

 

 

 

 最近、いつも思ってる。

 

 

 

「 最上さんは今年のハロウィン、何かするの? 」

 

 

 偶然この子と顔を合わせるなら、昼間ではなく夜がいい…と願うようになった。

 

 

 それも、なるべくなら遅い時間で。

 そうすれば彼女を送って行ける口実になるから。

 

 

 

 東京のネオンサインは色とりどりに明るくて

 ときどき夜であることを忘れそうになってしまう。

 

 

 俺の助手席にちょこんと座ってくれた最上さんが、そんな俺の胸中には気づかないまま、俺の質問に意外そうな顔つきで答えをくれた。

 

 

「 何か?いえ、何もする予定はありませんけど… 」

 

「 ん?だるまやってお店なのに、そういうのに参加しないんだ? 」

 

「 ああ!はい、そうですね。子供も集まるお店ならそれもあるかも知れませんけど、だるまやは毎年通常営業ですよ。

 それに、大将はそういうの、あまりお好きではないですしね 」

 

 

 柔らかく細められた目元はいつもの笑顔を俺に見せる。

 

 俺がなぜこういう質問をしたのか、この子は判っていないのだろうな、と思った。

 

 

 

 日本で言うハロウィンは、どこか子供のお祭り…と思われている節があるけれど、アメリカでは大人も一緒になって楽しむのがスタンダードスタイルだ。

 

 

 万聖節の前日にあたるハロウィンの夜ともなれば街全体が明るく賑やかに装飾されたりして、そんな風に町全体で愉しむ州も結構多い。

 

 特に子供のいない家庭などでは歓迎されているイベントで、この日を楽しみにしている老夫婦も大勢いるのだ。

 近所を駆け回る明るい声に嬉しそうに目を細め、普段は買わない大量のお菓子をこの日の為に用意しておく。

 

 お菓子をくれないと悪戯するぞ…のセリフが声高に響くと誰もが一瞬で笑顔を作る。

 

 それは本当に優しいイベントだと、いまの俺はそう思っているんだ。

 

 

 

 

「 ふぅん。そうなんだ。じゃあ君、ちょっと残念だろ? 」

 

「 ………どうしてですか? 」

 

「 だって君、そういうの好きだろ。妖精とか、魔女とか 」

 

 

 ハロウィンはもともとケルト人の祝日で、秋の収穫を祝い悪霊を追い出すためのお祭りだった。

 

 本場イギリスなどではこの日に妖精界の扉が開かれるとされていて、夜ともなれば待ってましたとばかりにガーデンパーティを開き、自分達が楽しみながら妖精が現れるのを待つ家庭も結構多い。

 

 だから俺もそんな風に

 君と二人で一緒の時を過ごしたいって、そう思ったんだけどね。

 

 

「 好きですけど……。それが何か? 」

 

「 だから、最上さんのことだから友達と仮装パーティするのかなって思ったんだ 」

 

「 残念ながらその日、琴南さんはお仕事です 」

 

「 …ってことは、打診はしたんだ?じゃあいま君、こんなこと考えてたりして? 」

 

「 え?どんなこと…… 」

 

「 今年は一人だし、いっそ妖精を呼び出す儀式をこっそりしちゃおうかなー、みたいな 」

 

「 敦賀さん!!もしかしてバカにしてますね? 」

 

「 違うよ。俺、君がこういう話をしても一度もバカにしたことなかっただろ? 」

 

「 ありますよ!!だって、笑ったもの… 」

 

 

 いつもとはちょっと違い、少しだけ尖った反応をみせる最上さんのそれに俺は別の出来事を見ていた。

 

 

 これはもしかしたら

 最近、誰かにソレをバカにされたりしたのかな…

 

 

 

「 最上さん。それって俺が初めて君からコーンの石を借りた時のことを言ってる? 」

 

「 ……そうです。あのとき敦賀さん、力いっぱい笑っていました! 」

 

「 ……… 」

 

 

 それは誤解だよって

 言ってあげられないことが少しだけ悔しい。

 

 

 あのときは君がまだ純粋に

 ただ俺の言葉を信じてくれていた事を知ったから

 

 それが本当に嬉しくて、思わず吹き出しちゃっただけなんだ。

 

 

 ごめん。言えないけどね。

 

 

 

「 ………じゃあお詫びに、いましかめっ面をしている最上さんが笑える話をしてあげよう 」

 

「 へ? 」

 

「 昨日、俺、LMEで椹さんと会ったんだけど、そのときふと思いついて聞いたんだ。ハロウィン当日、タレントセクションで何かする予定はあるんですかって。

 そしたら椹さん、頭抱えてこう言った 」

 

 

 

 

『 ……休みくれなきゃグレちゃうぞ 』

 

 

 

 

「 ぷっ!!!! 」

 

「 どうやら娘さんと何か約束をしたみたいで、その内容については教えてくれなかったけど。

 でもハロウィンになぞらえていう所がウィトだよな、椹さんって。そう思わない?最上さん 」

 

「 やだ、本当に言いそう!!ぷぷっ…。でもそれ、本当は敦賀さんの作り話なんでしょう? 」

 

「 え?なんでそう思うの?嘘じゃないよ。本当にそう言われたんだ、俺。

 ……笑えた? 」

 

「 笑えました。ちょっと面白かったです 」

 

 

 両手で口元を抑えながら、少しだけ明るく笑う最上さんを運転席から見つめて

 

 少し、残念だなって思いながら俺は苦笑を浮かべた。

 

 

「 すればいいのに…… 」

 

「 え?何をですか? 」

 

「 だから、妖精を呼び出す儀式。君が会いたいって言えば、来てくれるかもしれないだろ? 」

 

 

 誰が…と言わなかったのは、こう言えば彼女に伝わると思ったから。

 

 

 そして俺は最上さんにそう言っておきながら、心の中で違う言葉を唱えていた。

 

 それは、来てくれるかも…なんて不確実なことじゃないって。

 

 

 

 俺は最近、思うようになっていた。

 それでもいいかもしれないと。

 

 

 君が俺の名を呼んでくれるなら

 俺はコーンの姿で君の前に立ってあげる。

 

 

 そうしてもいいと簡単に思えてしまうほど、俺は君に夢中なんだ。

 とっくに君の虜なんだ。

 

 

 

「 やりませんよ。場所もありませんし 」

 

「 じゃあ、俺の家にくれば?俺の家でやればいいよ。そしたらやる? 」

 

「 あの…どうして敦賀さんがそこまで押すんですか? 」

 

「 どうして…って… 」

 

 

 でもね、ときどき俺は本気で迷う。

 

 喉まで出かかっているこの想いを、どこまで飲み込み続ければいいのかを。

 

 

 幼い頃に出逢ったのは確かに俺だと

 君に伝えてしまいたい衝動が何度も押し寄せて来る。

 

 けれどこれを伝えたら君の

 夢を壊すことになるのかもしれないと

 

 そう思うたび、波が引いていく様にこの欲求もどこかに消えていくんだ。

 

 

 

「 ……ごめんね。ただ、俺も会いたいなって思ったんだ。

 君が、大好きなコーンは俺にそっくりだったって教えてくれたから 」

 

 

 

 

「 …――――――― それは…………です 」

 

「 え?なに? 」

 

「 いえ!何でもないです。あっ…と、じゃあ、コーンを呼び出す儀式はしませんけど、その日、敦賀さんのお家でハロウィンパーティしてもいいですか?お家にお邪魔しても大丈夫なんですよね?! 」

 

「 ……うん。いいよ。君と二人きりなら 」

 

「 え?…はい。じゃあ、二人だけで…… 」

 

「 うん、決まり。夜、迎えにいくよ 」

 

 

 

 最近は日本でもハロウィンを愉しむ人が増えて来た。

 そのほとんどは仮装して終わり…といった風情だけど。

 

 

 

 もし

 

 もしもその日、俺がコーンの出で立ちで君の前に現れたら

 

 

 

 君は俺をコーンと思うのだろうか。

 俺がコーンに仮装したと思うのだろうか。

 

 

 

 君の中でどちらの占有率が高いのか

 ただ単純に、それを知りたいと思ってしまった。

 

 

 

 

 どちらも自分に違いないのに。

 

 

 

 



 

     E N D


本当の姿に戻るときは自分の願いを叶えた時。そう言ってたくせにこの人、夜の公園で泣いているキョーコちゃんと向き合ったとき、『 どうして俺はもっと禿に恐れをなしておかなかったんだ… 』 と後悔したのよね(笑)

 

それってつまり、キョーコちゃんの為だったら久遠の姿になることを厭わないって意味だなって気づいちゃったらこんなハロウィン妄想になってしまいました♡

 

クーにお願いされた時は困った顔したくせに。困ったちゃん♡

…で、本編は蓮君sideでキョコちゃんの気持ちが落ちちゃっていますので、それをフォローするおまけを付けておきます。↓

 

 

■ 恋のトリコ・おまけ ■

 

 

 ハロウィンの夜。

 敦賀さんのお家でパーティをすることになった。

 

 敦賀さんと二人きりになるのはこれが初めてではないけれど

 この想いを意識したらもう私はダメだと思う。

 

 敦賀さんの車から降りたあと、どうしてあんなことを言ったんだろう…と私は一人で悶々としていた。

 

 

『 ……ごめんね。ただ、俺も会いたいなって思ったんだ。

 君が、大好きなコーンは俺にそっくりだったって教えてくれたから 』

 

 

『 ……それは違います。コーンの姿が私の大好きな人にそっくりだったんです 』

 

 

 恋は愚かだ。

 こんなにも簡単に私の心を縛る。

 

 逃れる術など無いほどもうとっくの昔に

 自分はあの人の虜なのだ。

 

 

「 ……アレ、敦賀さんに聞こえていなくて本当に良かった。もうあんなこと間違っても口走ったらダメよ、私 」

 

 

 二人きりにならなければ、そんな心配、する必要もないでしょうに。

 けれどせっかく得られた貴重な時間…。そう思うと私の中で放棄する気持ちは一ミリもおきない。

 

 時計を確認して、もうすぐ敦賀さんが来てくれる時間だ、と

 実感しただけで心臓が高い音を奏でる。

 

 勢いを増した鼓動を感じながら私は窓に擦り寄った。

 

 

「 早く来ないかな、敦賀さん。……早く、早くあなたに逢いたい…… 」

 

 

 囚われた恋心が欲しているのは純粋に、ただそれだけ。

 

 二人きりで過ごせるハロウィンパーティが始まるのは、もうすぐ。

 

 

 

 END・続きません♡

※コメントリクの末、続きが出来ました⇒『一夜夢路』

 

⇒恋のトリコ・拍手

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