SS ボーナスカウントダウン・4 | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 ほほぅ…( ̄▽+ ̄*)…いちよーでっす。

 待っていて下さった方がいらっしゃるのかどうかもわかりませんが、書きたいものを書いてお届けしております。


 …うふ♡( 〃´艸`)

 書いている自分が一番ニマニマしている自覚があります。

 お楽しみいただけたら幸いです。


 ボーナスの行方シリーズ前話こちらです~

 ①月夜の晩に (リ作)

 ②一緒にお休み (リ作)

 ③冷蔵庫の中身 (リ作)

 ④彼の計算【 前編 後編 おまけ (リ作)

 ⑤冷蔵庫の野菜 (リ作)

 ⑥彼の要望 (セ作)

 【番外編1】田中さんの憂鬱 (くりくり様作)

 ⑦補給権謀 (リ作)

 【番外編2】増える野菜 (リ作)

 ⑧もっと増える野菜 (セ作)

 ⑨口実野菜【 前編 後編 (リ作)

 【番外編3】願望口実 (リ作)

 ⑩ボーナスカウントダウン・5 (リ作)



蓮キョ愛捧げあい~ボーナスの行方シリーズ~

■ ボーナスカウントダウン・4 ■






『 今度のオフには少し時間のかかるモノを作りますね 』




 俺が最上さんとこの約束をしたときは、まだ3日に一度、最上さんが俺の所に来てくれていた時だった。



 番宣目的のバラエティ番組で山ほどの野菜を手に入れたのは、奇しくもこの約束が実行される3日前。



 閑散とした台所に山と積まれた野菜たちを見て覚悟を決めてくれた最上さんは、俺と同棲の約束を交わしてから冷蔵庫に残っていた野菜で夕食を作ってくれた。

 それを二人で美味しくいただいたあと、彼女はその夜、だるまやに戻ることを諦め、とにかく先に手を入れないとダメになってしまうものから…と言って袖をまくった。



「 敦賀さん。申し訳ありませんがとりあえず今夜、私を泊めて頂けますか?それで、この間お約束したオフ日の件ですけど、出来ればその前の日の夜にお伺いをして、そこから少しの間お世話になるってことで予定したいのですが…。どうでしょうか? 」


「 当然、大丈夫。平気、平気!! 」



 頬がにやけそうになるのを何とか押しとどめ、お世話になるのは俺の方だけどじゃあそうしようか、と言って二人で台所にこもった深夜。


 言わばこれは同棲開始の前ふり。

 たとえ一晩と言えど、この子が泊まり込んでくれるそれが嬉しくない訳がなかった。



「 ところで最上さん、具体的にはこの野菜をどうするの? 」



 普段なら野菜の保存方法になんてまるで興味がないけど、この時に限りそれは俺が一番知りたいことだった。



 出来れば!!本当に出来ればだけど


 冷凍保存とか…?


 そういう、君との接触が希薄になりそうな手段は避けてもらいたい…と心の中で思っていたのだけど



「 んー…。残念ですけど今日は冷凍ストック用の小分け袋もタッパーもないので… 」


 彼女の口からこぼれた無情なセリフについ


「 れ…冷凍?冷凍しちゃうの? 」


 …と言ってしまうと、最上さんの口からハア…と深い溜息が漏れた。


「 …敦賀さん? 」


「 は、はい? 」


「 あのですね、まず最初に確認しますけど、このお野菜をダメにしたくはないのですよね? 」


「 う…?…うん… 」



 だって、ダメになったらさすがの君でも廃棄するしかないだろ?

 そうしたら君が俺の所に来てくれなくなるじゃないか。



「 だったらやっぱり冷凍するしかないですよ。

 せっかく有機野菜をもらったのに…ってお考えは判りますけど、この場合はもう、鮮度がどうとかは二の次ですからね? 」



 ―――――― ああ、うん。

 俺が冷凍するのイヤだなって態度を、君はそういう風に受け止めたんだ。



「 だいたいですね、家庭用の冷凍庫で保存できる期間はだいたい一ヶ月が限度って言われているんですよ?つまりこのお野菜たち、少なくとも来月の今頃にはなくなっていないとダメってことです。

 まあ、一部例外の野菜も含まれていますから、実際にはもうちょっとかかると思いますけど… 」



 …――――― ってことは、猶予期間は約一ヶ月ってことか。



「 あれ?でも最上さん。俺、冷凍保存って長期間大丈夫って聞いた事があるけど… 」


「 それは、業務用冷凍庫での保存の場合です。家庭用の冷凍庫も性能はいいのですけど、開閉のたびに温度が変化するので劣化が早いと言われているんです。だからたとえ冷凍したものでも早く食べた方がいいんですよ。家庭用の場合… 」



 ―――――― へえ…なるほど。


 じゃあ、もしかしたら…?

 業務用の冷凍庫を買って来ちゃえば、この野菜を保存するための期間を延ばせるってことで、そしたらこの子との同棲期間も延ばせるんじゃないか?



 顔の位置は変えずに目だけを宙に動かしそう考えた俺に向かって、最上さんはジト目になって思いっきり低い声を吐き出した。



「 敦賀さん、ダメですからね? 」


「 え?なに?なにが? 」


「 いま、業務用冷凍庫を買っちゃおうかな?…とか考えましたよね? 」


 君はエスパーか!!


「 え?俺、そういう顔してた? 」


「 笑顔で誤魔化してもダメですよ!敦賀さんのそういう思考、私、判るようになっちゃってますから! 」



 ……あ、そう。


 どうせならそれ、別の方向で活かして欲しかった…。 ←人のことは言えない



 結局その日の夜は時間が遅いってことと、保存容器がないことから

 最上さんは果物にだけ手を付け、それを俺も手伝った。



「 柿は3個しかないので剥いて冷蔵庫に入れちゃいますね。このままだとすぐ熟しちゃいますから。朝食のデザートとしていただきましょう 」


「 …ちなみに、剥くと長持ちするの? 」


「 そうですね。ヘタがついていなければ追熟することがないので。だからってヘタだけ取って…だとここから腐ってしまいますから剥いて冷蔵庫で保存…が一番いいです。一週間は平気で保ちますよ 」



 そう言って最上さんは手早く柿の皮を剥くと、8つに切ってからお皿に並べてラップをかけた。

 指示通りに俺がそれを冷蔵庫にしまう。



「 次は巨峰ですね。巨峰は枝が付いていると枝に付着している雑菌が繁殖してカビが生えやすいんです。それに追熟しちゃいますしね。なのでキッチンばさみを使って… 」



 そう言って、最上さんは巨峰粒についている枝のでっぱりを残し、一つ一つ丁寧にプチプチと切り離してゆく。



「 最上さん、あと俺やるよ 」


「 あ、助かります。こうやって一粒ずつ丁寧に枝から取り外してから5%の酢酸水で消毒をして、水気をふき取って冷蔵庫に入れれば二ヶ月くらい保つんですよ。本当はタッパーがいいのですけど、取り敢えず今はボウルに入れてラップをしておきましょう 」

※5%の酢酸水⇒100ccの水に5ccの酢で充分です


「 えっ?そんなに保つの? 」


「 うふふー。保つんですよ!ブドウ粒が密閉状態に保たれていることが絶対条件ですけどねっ 」


「 じゃ、この破れちゃったり枝からもげちゃった奴は… 」


「 あ、それはいま頂いちゃいましょうよ。そんなに数もありませんし 」


「 なるほど。じゃ、最上さん、はい、あーん? 」


「 やだ。敦賀さん、自分で食べられます 」


「 いいよ。君いま梨むいてるだろ。はい、あーん 」


「 あー…ん 」


「 美味しい? 」


「 むぐ…おいしいです… 」


「 そ。良かった 」



 ああ、やばい。想像通り、かなり楽しい…。



 結局その夜はそこまで、ということにして

 俺は自分の寝室で、最上さんはゲストルームでそれぞれ眠りについた。



 翌日の目覚めは自然と口元がふっと緩んで…


 寝室を後に一目散に台所へ向かうと

 俺の予想通り、そこにはもう最上さんの姿があった。



「 おはよう、最上さん。もう起きていたの? 」


「 おはようございます、敦賀さん。もう…って、いつもこんな感じですよ、私。今日は午前中から仕事がありますしね 」


「 ああ…そっか… 」



 台所には湯気が立っていて

 トントントン…と温かい音が静かに響く。



 細い腰を着飾るように結ばれたエプロンのリボン結びを眺めながら


 後ろから抱きしめてしまいたい衝動を、気付かれずに押し殺した。




 ――――― こんな朝を、しばらくのあいだ味わえるんだな…






 そう思って

 倖せを噛みしめたのは3日前の朝だった。


 約束通りオフ日前日の夜、彼女は俺の所に来てくれて…。



 そして迎えた朝

 あの日と変わることなく台所に立っている最上さんの背中を見つめながら、俺は微笑を浮かべて瞼を下ろした。



「 敦賀さん、覚悟して下さいね? 」


 けれど彼女の問い掛けにすぐ視界を開き、俺へと振り向いた最上さんに俺は小首を傾げる。


「 ん?覚悟?なに? 」


「 敦賀さんにはこれからほぼ毎日、私が作った物だけを食べていただきますから! 」


「 うん… 」



 それは、俺にとっては覚悟に入らないけど…



「 朝食は当然、お昼だってロケ弁なんて口に出来ないですよ。社さんとも相談しますけど、夜ご飯もスケジュールに沿って私がお届けしたりしますからね? 」


「 うん、判った。すごく楽しみだな… 」



 ほら、だから。


 最初から、君が隠密行動なんて、無理だろう?



「 敦賀さんの口から楽しみなんて意外なセリフを聞いてびっくりです。

 あ、それから。お弁当に関しては敦賀さんの分はもちろんですけど、社さんの分も作りますのでそのようにお伝え願えますか? 」


「 え?社さんのも?…ふーん… 」


「 敦賀さん?何かご不満でも?このお野菜、ダメにしないで全部いただきたいんですよね?

 敦賀さんお一人で召し上がる必要はないんですよね?っていうか、それ無理ですよね? 」


「 う…はい。そうです 」


「 私のスケジュール事情が影響してしまいますけど、敦賀さんの現場に差し入れなども持って行こうと考えてますから、お野菜の件は心配しないで下さいね?

 全てこの最上キョーコにお任せください!大船に乗った気で! 」


「 ふっ…。君は本当に頼りになるね 」



 自信満々の笑みを浮かべた最上さんを見た瞬間

 俺はあることを思い出してヨシ…と思った。



 業務用の冷凍庫は口にする前にこの子にダメ出しをされてしまったから



 いま俺が思いついたことは、このまま最上さんには内緒にしておこう。









 ⇒『ボーナスカウントダウン・3 』に続きます


やばいな。あと3話で完結するかしらこれ(笑)


ちなみに、時間軸がカウントダウン5を挟んだ前後だって、ご理解いただけていますよね?

まあ、特に意識する必要はありませんけどね。


そんな訳で♡次もお付き合い頂けたら嬉しいです!


⇒ボーナスカウントダウン◇4・拍手

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