ちょっりっす。一葉です( ̄ー ̄) お元気ですか?
…うん。一葉は左目以外は割と元気v ←眼精疲労が半端ない
本誌が発売になりまして、蓮君が一コマも出てこなかったことに悶絶した人はきっと多かっただろうと思われ、それ以上に一葉が蓮君不足で呼吸困難になりそうです(笑)
※キョコちゃん脳内リフレインは出てきたことに値せず
蓮様が存在しない回では続き妄想などが出てくるはずも無く…。←色んな推測妄想はしましたけど
なので原作沿い両片想い蓮キョを突っ走らせるという。大胆不敵行動勃発( ̄▽+ ̄*)ふふふふ…。
長いけどきっとあっさり読んで頂けると思われます。ネタバレ等もありません。
少しでも癒しになれれば嬉しいです。
■ 嘘つきな紳士 ■
お話を頂いた時からずっと楽しみにしていたCM撮影。
事務所の大先輩、敦賀さんと一緒のお仕事で、撮影現場を移動することになった私は、ずうずうしくも誘われるがままに敦賀さんの助手席に乗り込んだ。
「 敦賀さん。社さんは本当に良かったんでしょうか? 」
「 気にしないでいいと思うよ。社さんは付き人じゃなくてマネージャーだから。その立場としての用事があるんだよ 」
「 そっか…。そうですよね 」
知らず心まで晴れやかになりそうな青空の下で、ふたりきりの移動が出来るなんてひどく贅沢な後輩だわ…なんて考えながら、ほころびそうになる頬を引き締めるために何度も下唇を噛みしめた。
それをどれだけ隠せたかは正直、微妙だと我ながら思う。
だって、嬉しいものはどうしたって嬉しいんだもの…。どうしようもないじゃない。
「 あの、晴れて良かったですよね。どんな天候でも撮るからって前もって言われた時はどうしようかと驚いちゃいましたけど… 」
「 …うん、そうだね 」
ハンドルを操作しながら車内時計で時間を確認した敦賀さんは
少し余裕があるからちょっと息抜きをしようと言って、いきなり道を横に逸れた。
「 え?…大丈夫なんですか? 」
「 平気だよ。本当にちょっとだから。こっちに小さな公園があるんだ 」
初めて訪れた無名の公園。
数台しか置けない駐車場に車を停めた敦賀さんが、俺の息抜きに付き合ってくれる?と上品な笑顔を浮かべて私に右手を差し出した。
「 …はい、もちろんです 」
断るなんてするはずもない。
早く行こうと言って私の行動を促した大きな背中を目指して、まるで親鳥のあとを追うヒナみたいに敦賀さんを追いかけた。
自分よりは長く伸びている大好きな人の影を幾度も踏んで、捕まえられないもどかしさと、得も言われぬ幸福感に何度も嬉しさが込み上げる。
渡る風の心地よさに背中を押された私は、童心にかえった気分で公園内を一巡した。
「 わ…。敦賀さん、遊具がありますよ!ベンチと木しかない公園だと思ってました! 」
本当に小さい公園だからかも知れない。
こんなにいいお天気ならば、今日のような平日でも子供連れのお母さんたちが居ても決しておかしくはない時間なのに、敦賀さんと二人で足を踏み入れたここには、私たち以外の人影はどこにも無くて
二人きりなんだという不思議な安心感が、CM撮りの緊張感を忘れさせてくれていた。
ブランコと滑り台、砂場とベンチのみの本当に小さな公園だったけれど、木々に囲まれた小さな敷地の中で、私の心は自然と高揚していった。
「 最上さん、滑り台とか懐かしい感じしない? 」
「 します!行ってみますか?敦賀さん 」
「 うん。…もしかしたら最上さん、いますごく楽しい?笑顔が可愛い 」
「 ぬわっ!!相変わらず何を言ってるんですか、敦賀さんってば! 」
照れ隠しをしながら少し早足になって滑り台へと駆け寄った。
小さな階段を昇って踊り場にたどり着いた私は、その場で腰を落とし、少し遅れて近づいてきた敦賀さんへと視線を移す。
目にした予想外の光景に、思わず口元を抑えて吹き出した。
そりゃ、もちろん知っていたけど。こんな事があると改めて実感する。
敦賀さんってばやっぱり…。
「 信じられない…。敦賀さん滑り台より背が高いじゃないですか 」
「 ホントだね…。今にも滑り出しそうな君の腰が俺の目の前にあるとか。ちょっと新鮮な感じだ 」
「 嫌な新鮮さですねぇ 」
「 ちなみにこの幅だと俺は滑るどころか台に上がる事も出来そうにない… 」
「 え?上がる気でいたんですか?無茶過ぎですよ、敦賀さん。これ、どう見ても子供用ですよ 」
滑り台の縁に手をついて、私を見上げながら微笑する敦賀さんを笑顔で見下ろした。
仕事の合間の息抜きだって判っていても、楽しくて仕方が無くて。
もう少し、このまま敦賀さんと二人でいたい…なんて欲張りな事を考えてしまう。
「 確かに子供用だね。…って言うか、滑り台で大人用って見たこと無いけど 」
「 いえ、アスレチックとか行くと場所によっては置いてありますよ 」
「 ああ、そっか。俺、普段からそういう所って行かないから…。ところで最上さん、そのワンピースは衣装だからさすがにそこから滑るのは無しだよ?そのままこっちにおいで… 」
「 ………え? 」
柔らかく瞬く優しい瞳で私を見つめて、当たり前の表情で両手を拡げた敦賀さんの仕草に思わず目を見開いた。
まさか、そこから私を受け止める、とか…?
そんなことを素でする気ですか?
敦賀さんってば、一体どこまで天然紳士。
「 いえいえ!!それなら階段から降りますから大丈夫です 」
「 ん?俺の事は信用できない?手を離して落とされそうって…? 」
「 そんな…。敦賀さんがそんな事をする訳ないって判ってます。そうじゃなくてですね… 」
「 じゃあ平気だね。最上さん、いいからおいで?俺の方へ… 」
――――― もう、ほんとにこの人ったら
どこまでも有無を許さぬ神々紳士スマイルを浮かべるなんてずるいです。
そしてなんて甘いお誘いをするんですか。
この人、普段からこんな事をしていたら絶対、誤解する女性が後を絶たないって、いい加減に気付いた方がいいと思うのだけど…。
だけどもしかしたら。
少なくとも、こんな状況になる事って他の人ではあり得ないのかも知れないわ。
だって敦賀さんと二人きりなのに滑り台に乗っちゃうなんて、きっと私ぐらいだと思うから…。
「 本当にいいんですか? 」
「 もちろん。俺の肩に手をついて…そう。腰を支えるから、ゆっくり体重を移動して… 」
私の腰に両手を添えた敦賀さんが
いともたやすく私の事を持ち上げる。
ふわりと宙に浮かんだ自分の目前で
同じようにふわりと揺れた敦賀さんの柔らかそうな髪を見つめた私は
敦賀さんのことをこんな風に見下ろしちゃうこの状況や景観も、滅多な事じゃ味わえないわよね、と心の中で甘美な悦に溺れた。そのとき…
「 うきゃっ!?敦賀さん、くすぐった… 」
私の腰をささえている敦賀さんの手の温みの先にある、微妙な動きを見せた指先のそれであっという間に思考を乱された私は、バランスを保つために敦賀さんの肩に添えていた手を勢いよく離してしまった。
「 あ、こら!最上さ…危な… 」
―――――― ゴチン★
ぐらりと揺れた私の腰を抱き抱えて受け止めてくれた敦賀さんのおかげで、私が地面に落下することは無かったけれど
敦賀さんの頭上に顔面を預けてしまった私の鼻と唇がジンジンと痛む。
「 ……っ…痛っ…… 」
あれ?もしかしたら私、もしかしなくてもいま落ちたくない一心で
敦賀さんの頭をこれでもかと抱きしめたりしていない…?
「 それはこっちのセリフだよ、最上さん 」
「 うぎゃっ!!ごめんなさい、敦賀さん 」
少しくぐもった敦賀さんの声に弾かれて大急ぎで身体を起こすと
私の肩に顔を埋めていた敦賀さんが不満そうに目を細めた。
変わらず私の腰をしっかりと抱きしめてくれているから、私の身体は安定していて
ただ、今の私たちの状況は、はたから見たらまるで大きな子供を抱えた若いお父さんのように見えるのかも知れないな、とか余計なことを考えた。
「 本当にね。どうせおでこにキスしてくれるならもっとソフトにお願いしたい 」
「 ちがっ!!キスした訳じゃなくて… 」
「 あー痛かった。しばらく響きそうだ… 」
「 す…すみませんでした。驚いてしまって…。あの、まだ痛みます、か? 」
「 相当痛い… 」
どこかで見たことがある不満顔。だけど怒っている訳じゃないのはすぐに判った。
もう一度、小さな声でおでこのキスならソフトにして…と呟いた敦賀さんは、どちらかというと子供みたいにちょっと拗ねている感じで
何故だかどうしようもなくくすぐったくなって、いま私の目の前にいるのは確かに敦賀さんなのに
カッコいい…じゃなくて、可愛いって思ってしまった。
「 じゃあ、お詫びにおまじないをしますから、それで許して下さい 」
「 おまじない…? 」
「 はい 」
いま言った通り、これはあくまでおまじないですからね?
だから決して、驚いたり怒ったりはしないで下さい。
ドキドキと揺れる自分の鼓動を感じながら
きっと私はこのとき、どこか含みのある笑顔を浮かべていたのかも知れないけれど
敦賀さんのおでこに自分の顔を寄せて、そっと呪文を口にした。
「 痛いの、痛いの、飛んでいけー 」
――――――― チュ…
次いで敦賀さんのおでこに寄せた私の唇が
今度は別の理由でヒリヒリと痛んだ気がした。
「 …飛んでいきました? 」
「 ……驚いた事に、一瞬で… 」
瞬間、二人で吹き出して笑った。
もう、本当に敦賀さんって優しいひと。
後輩のこんな子供じみた対応でも、笑って許して、そしてちゃんと受け止めてくれるんだもの。
ところで、敦賀さん?
そろそろ私を地面に下ろしてもらえないでしょうか?
そう口を開こうとした私の耳に、聞きなれない、だけど聞きなれた声が届いた。
「 よーし!!カット、OK 」
「 へ?え?な…なに…? 」
わらわらと出て来たスタッフの姿に私の頭はてんてこ舞い。
「 はい、撮影終了。最上さん、お疲れ様 」
「 え?え?なに?どういうことですか、敦賀さん?? 」
「 実は、次の撮影現場ってここだったんだ。君、少し緊張していたみたいだから、敢えて何も言わずに、ね。…やっぱり気付いていなかった? 」
し…信じられない!!
もし私が気付いていたら
いまみたいなこと、絶対、絶対しませんでしたよ!!
誰も居ないって思っていたのに
望遠で撮っていたとか、私、どれだけ鈍い女なの!?
「 う…ウソですよね?いつからですか? 」
「 君が俺の車に乗り込んだ時には既に… 」
「 それって、みんなで私を騙したってことですかー!? 」
「 ん?楽しかったでしょ? 」
「 楽しかったのはそれを知っていた敦賀さんの方じゃないですか! 」
そう叫んだ後で、私はある事に気が付いた。
そうよ。だっていま、監督、確かにOKって言ったもの…。
「 私もしかしたら、敦賀さんに操作されていたってこと!? 」
この事実が、信じられないほど悔しかった。
後から撮影内容を記した絵コンテを見せてもらって、ほぼその通りに動いている自分にあきれ返った。
社さんが車に乗ってこなかったのも
公園内に誰も居なかったのも
全てが撮影の為だったからだと気付いたのは
もちろん絵コンテを見た後で
後日、絆創膏のCMで流れた最後のシーンは
敦賀さんの額に落としたキスの場面。
そのシーンに重なったナレーションは、疑いようも無い敦賀さんの声だった。
『 本当に癒せるのは、思いやりの気持ちです… 』
このCM放送直後から
信じられないほど売り上げが伸びたことを
私は複雑な思いで受け止めた。
E N D
久しぶりの策士蓮くん。キョコちゃんに気付かれない様に芝居に乗じて本音大暴露。本当に嘘つき紳士♡
もっとも一葉の本当の目的は蓮君にデコチューするキョーコちゃんを書きたかっただけなのですが、不思議とこんな内容に…。
どうでもいいけど、キョーコちゃん、恋心ダダ漏れ~★
我ながら幸せ妄想、フルスロットルо(ж>▽<)y ☆
お粗末様でした♪
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