昔、林真理子センセイのエッセイに。

  丸井の社長、青木氏ともう1人と対談し。青木氏が「これからはレンタルの時代ですよ」と言い、その話が非常に面白かった。

  と、林センセイは書いていて。
  
  何年前の話だったか。
 
  非正規雇用も高齢独身者も子供の貧困も、まだ話題にならず。格差社会じゃなかったんですね。

  林センセイは流行作家と主婦という、相反する仕事を両立している、つまりものすごく頭がいい女性なので。

  彼女が面白いということは、やはり当たっているのであり。

  「これからはレンタルの時代」というフレーズは私の記憶に残った。

  で。

  ワンピースをレンタル、都会の部屋をシェア、つまり低所得で社会の地位が低い人が増え、でも、その人たちはブランド物の服、都会の素敵な暮らしを好むのであり。

  貧乏だからブランド物は着なくてもいい。貧乏だから田舎に住めばいい。そういう発想ではなく。

  貧乏人でも、素敵な暮らしをしたい。

  分相応という言葉がなくなったのか。
  
  貧乏人が金持ちの振りをする、すなわち善?

  で。

  ヴィトンのランドネがヤフオクに出ているのを発見。

  ていうか、ヤフオクを最近まで知らなかったんですね。

  フランスのアンティークグラスを買ってみたら、こんなに簡単に素敵なものが手に入るのでびっくり。

  世の中、どうなってんの!

  こんなに簡単に素敵なものが手に入るって、なんだか罰当たり。
   
  アマゾンとヤフオクをのぞくのが毎日の日課になり。

  でも。

  心から欲しいと思うものが、もうない。

  これって人生に満足しているってこと?幸せってこと?

  欲しいものがない、という境地に至ったのが初めてなので。いや、欲しいものが簡単に手に入ると、逆に欲しくなくなるのか。

  私、幸せなの?

  そもそも幸せってなんだ?
  
  で。

  学生時代にブランド好きの友達(モテないどブス)が旅行に持っていたランドネを見て、それに憧れていた私。

  でも。

  買うほどじゃなかった。

  デカすぎるから。

  絶対に、私が背負うには重すぎ。

  しかし、それから30年近くが経ち、椎間板ヘルニアもかなり良くなって重いものも背負えるし、ヤフオクで45000円のランドネを発見。

  ああ、時空を超えてランドネ君が私を呼んでいる?

  でも。

  やっぱ、デカすぎ。

  男の人が背負ってる写真を見ても、デカい。これはかなり重いはず。

  安いから、と買ってみても、使わないだろうなあ。

  で。

  買うのをやめて。

  でも、欲しくて。

  で。

  ブランド物のバッグをレンタルするサイトを発見。

  ここで私の頭に、「ホントだ、レンタルの時代」と浮かんだのですが。

  何十万、ときに100万を超える憧れのバッグをどれでも、月に7000円くらいでゲット。
  
  もちろん、いつか返すんですよ。

  でも。

  憧れのバッグ、買う前に借りて使ってみて、というのもアリかも。手にしてみないと使い勝手は分からん。

  エルメスのケリー、持ってる人はみな、「重すぎてあまり使わない」って言うよね。

  でも。

  ブランド物のバッグは、お金持ちが持つべきもの。

  階級に関係なくブランド物が売れるのは日本だけっていうけど。

  レンタルでお高いバッグを手にして、「もしかして、金持ち?」って思われたい。そういう人をそそのかして成り立つ商売があっても可。

  可って?

  あんた、何を上からモノ言ってんだ、自分。

  と自分に突っ込みを入れてみても。

  ブランド物のバッグ、みんな、そんなに好きかなあ。

  あ、私もシャネルを3つ持ってるけどね。

  ホントに素敵な人が持っていると、「もしかしてそのバッグも素敵なブランド物?」って見えちゃうけど、ただの安物。素敵な人が持つとどんなバッグも素敵。

  そういうのがホントにかっこいいんじゃないかって気がするけど。

  でも。

  ランドネ。

  ヤフオクで45000円でなかなか売れなくて、「あと5日!」を、もう3回もやってるんですけど。

  やはり売れないには理由があるのか。