76 「ヒロシマ記者が歩く 戦争格差社会アメリカ」 田城明


 アメリカの現実、というか。同時多発テロ以降のアメリカの姿、というか。


 著者は広島にある新聞社の記者です。この本によれば、戦争を経験したアメリカの方が広島を訪れ、戦争の意味を考えるきっかけになることもあるようです。


 アメリカで格差、というと「本当に食っていけるのか?」というレベル。これで国が成り立っているのか。


 これだけ格差があるのに、政府が決める医療保険制度に反対するアメリカ人が8割近く。理由は「国が決めるのは社会主義だから」というのも、やはりアメリカの一面を表している。


 以前、ウチの近所にニューヨークでは有名な富豪の一族、という女性がいた。見た目はアジア人というか日本人と変わらない。その人のいとこは写真で見ると白人。


 一族のほとんどが年収1億以上。プール付きの豪邸に住んでいるそうである。で、リムジンがお迎えに来てニューヨークの五番街の高級レストランでお食事するそうである。で、レストランでは赤じゅうたんで黒服がお出迎えしてくれるそうである。


 うーん・・・。私の生活とは違いすぎて、うらやましいんだか、よく分からない。


 なんだか、めんどくさ。食事するくらいで、いちいち出迎えてくれなくていいっつーの。


 第一、リムジンなんて乗っていたらホッキョクグマがおぼれ死ぬ。プリウスにしたらどうだろうか。


 彼女が言うには、日本では住んでいる場所でその人の年収が分からないのでびっくりしたそうである。ニューヨークでは番地で大体、年収が分かるそうである。


 「日本は社会主義に近い資本主義」と言ったことがあった。アメリカの金持ちにすればそういう感覚かも。


 でも、日本人にとってはアメリカほど格差が開くことは望まないのではないだろうか。