61 「兵器名鑑 歴史を変えたTOP10」 ディスカバリーチャンネル


 私はただのおばちゃんである。それ以上のことは別に誰も知りたくもないだろうが、こういうDVDも見る。仕事に関係あるからである。 


 自衛隊の観閲式に行くと、在日米軍の幹部を見かけることがある。自衛隊の幹部と話している姿を見ると、今、日本とアメリカはこういう関係なのだなあ、と思うことがある。


 これは防衛白書やテレビや新聞の報道だけでは分からない。在日米軍の幹部が横柄ということもなく、自衛隊の側が卑屈ということでもなく、でも、日米安全保障条約とはこういうものか、と思う。その「こういうもの」は人それぞれ、自分が実際に観閲式に行ってみて感じることである。


 兵器だって実物を見てみる。護衛艦に乗って上空を飛ぶ戦闘機を見たり、護衛艦から何かが発射されるときの衝撃だの水しぶきだの、実際に見ないよりは見るほうが色々分かる。


 第一、鉄のカタマリが空を飛んだり、海に潜ったり、すごい迫力である。それがいい悪いではなく、現実にこういう感じ、というのが分かる。


 アフガン紛争のとき、「スティンガー」というバズーカ砲のような、一人で肩に乗せて打てる兵器をアメリカがアフガンゲリラに供与し、これで一気に戦局が変わり、ソ連は劣勢に立たされた、そうである。


 「そうである」というのは、私が当然、その武器を見たことがなく、文書で読んだだけだからである。この兵器は「武器の性能が進みすぎて、1つの武器が戦局を変えてしまう例」として出てきたのである。


 小型の航空機やヘリを打ち落とせる。しかも1人で。それがどんな感じか知りたかった。 観閲式で小型航空機やヘリが飛ぶのを見た。これを打ち落とす?戦局も一気に変わるだろう、と思った。


 世界のどこかで今も武器が使用されている。それが現実である。鉄のカタマリが空や海を行くのである。しかも、莫大なカネをかけて、である。


 観閲式に行った日は、夜、眠れない。武器という現実を目の当たりにするからである。現実に押しつぶされそうである。武器など使用しない方がいいに決まっているし、戦争はない方がいいに決まっている。


 武器など使わず、戦争もせず、いかに他の国と平和にやっていくか。現実を知るために、兵器がどう歴史を変えたかを知る。


 なんだか不思議な感じもする。