古来、愛石趣味人の間で"石は立てて観るのは最後の手段"と暗黙の決まりが有ったようで、これは山水景状の遠山形(とおやまがた)を観賞石の理想の形として伝播された為と考えますが、蔵する石の中には"立てて観る"しか観賞石として見られない石も数石在ります。その1石が今回投稿の音部石です。
銘「萬里一條鐡」
W10・H26・D 6 ㎝

長らく仮の台座に据えて飾っていましたが、最近この石を眺めていると「早く安住の台座に据えて❗️」

と訴えて来ましたので、先月始めに台座の製作を依頼し昨日出来上がってまいりました。


石の下部拡大


石面は縮緬肌で、所々にはコブ状の突起も現れています。


石の上部拡大


立ててしか見様のない石も、自身どこか琴線に触れる場合には、慎重にその是非を見極めなければなりません。、


※以下、音部石(おんべいし)について、月刊「愛石」誌の2006年11月号に特集・掲載された文より一部引用して記載します。

【新名石探訪】島根県 "音部石"

島根県西部、三隅町に流れる三隅川の源流は、中国山地を発して音部峡となる。音部石は、その下流約1キロの間の古生地帯の露頭部が渓谷へ崩落したもので、近辺は風光明媚な山紫水明の境で、誠に雅石の古里にふさわしい所であったが、1990年に「御部ダム」が建設されダム湖に沈み、現在では新たな産出は難しい状況にある。この石見地方の銘石として知られる音部石は、熱変成岩の硬くて緻密な石で、数億年の侵食により複雑怪奇な形状を呈しているが、含有物によって蒼黒色、蒼青色、茶色、青灰色などの石種に分けられ、鉄を叩くような金属音がするものもある。



ありがとうございました。

次回もご笑覧賜れば幸いです。🙇‍♂️