瀬田川虎石(滋賀県)
銘「つれづれ草」

W16・H7・D8 ㎝
曽我山人・本山幸男氏蔵
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⬆️ 石の上面には五百円硬貨大の凹みが在り、普段は精巧な創りの紫檀製の蓋がされている。


この瀬田川虎石、元は"絵鉢の巨匠"と称されていた愛石趣味家でもあった故・宮崎一石(本名: 宮崎  淳)師が自採し台座も紫檀製で自ら製作されたものです。銘の「つれづれ草」は、後にこの石を譲られた愛石家・中村東鶴(本名: 中村賢一、故人)氏が"つれづれなるままに硯に向いて"の古文より引用され銘名されたと伝わります。


1968年9月20日〜11月10日(52日間)の期間、前期61石・後期59石の2回に分け、総数120石の瀬田川石の石展が滋賀県大津市のびわ湖博会場内・びわ湖館で開催された際にも出品され、多くの参観者や愛石趣味家から好評を博したと聴きます。


当時発刊された「名石瀬田川図鑑」

出品石・全120石の写真と寸評が掲載されています。

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銘からしても"硯"を連想します。

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現所蔵者の曽我山人・本山幸男氏がこの瀬田川石にマッチする共箱を見出され、数多く所蔵されている名石の内の1つとして座右に置き愛玩されています。



現在の蔵者が、自分も所属する愛石趣味人の集う【八洲同人】の大先輩・本山氏と知ったのが、月刊「愛石」誌2020年10月号に特集掲載された記事を拝見したときでしたが、あいにくその時期以降"コロナ禍"で水石展示会は勿論、人が集うことも憚られましたので、先週満を持して 吹田市の【遊石庵】をお訪ねし、憧れの瀬田川石「つれづれ草」をはじめ、多くの名産地の名石や美術品の数々を拝見させていただき至福の時間を体感してまいりました。

暫くは「つれづれ草」の夢を見る夜が続きそうです。☺️

ありがとうございました。

次回もご笑覧賜れば幸いです。🙇‍♂️