"戻り梅雨"で不順な天候が続き、気分までスカッとしませんから、ついつい愛蔵石を出して来ては、その石を採取した時の事など、不思議と鮮明に残る記憶にふと"ほくそ笑む"目出度い人間です。😁

加茂川石(京都市)
W18・H19・D10㎝


2013年9月、京都地域に甚大な被害をもたらした台風18号一過の一月ほど後に会員有志で探石に行き、まだ無数の流木などで無惨な痕跡が残る賀茂川中流・柊野運動公園前の流れの中から採取しました。


賀茂川中流の"柊野堰堤"

この堰堤上の左岸(向かって右側)が柊野運動公園




この石、山水景状石として観るには難も多々在りますが、底面の安定(坐り)の良さ、緻密硬質な石質と巣立状の石肌、それに何と言っても「うぶ石」(※一切人工の加わらない自然無垢の石)であることが、最たる取柄です。

愛石趣味家夫々に石の好みや価値感は多様ですが、自分はこの石のような"自然無垢の石"を蒐集対象にしています。例え針穴ほどの微細な加工を施された石であろうと、それは工芸品として捉えています。



採取した当初、採取場所や一際緻密硬質な石質と石面の濃い小豆色や巣立状で変化に富んだ石肌から推察するに、恐らく上流の「貴船」辺りから流下してきた石と思われるので、"紫貴船石"と診ていましたが、屋内で長期の養石により最近では真黒の石肌となり、一段と落ち着き風格も出てまいりました。

貴船石にしても「加茂七石」の内の一種ですので、それゆえに加茂川石と著しました。


早く天候が安定して欲しい、例え猛暑日が続こうが、名石の宝庫"京・北山"辺りで、せせらぎに浸り野鳥の声を聴きつつ探石を愉しみたい。

2度目の癌手術も終えて3年7ヶ月経過、順調に回復し体力もほぼ元に戻った感がする。


ありがとうございました。

次回もご笑覧賜れば幸いです。