今回は、四国・高知県の太平洋に突出した室戸岬海岸の岩礁一帯で産出する面白い石をご紹介しましょう。
室戸鉄丸石
※むろとてつがんせき
W7・H8・D5,5 ㎝
磁鉄鉱を含んだ茶褐色の石肌で、石の内部には上下を貫く芯があり、それがまるで「ヘソ」のように石面に現れています。その「ヘソ」については学者の説がいろいろありますが、それぞれに確証はないようです。観賞石の中でも最も骨董的でおもしろい石種でしょう。
上から「ヘソ」をご覧ください。⬇️
この石は、半世紀前のまだ学生時代に、お2人の先輩愛石家に同行して、初めて高知県室戸岬へ探石に行った際に採取した"思い出の石"でもあります。
⬇️ 室戸岬近くの岩礁地帯。
この初めての室戸海岸への探石行、確か1973年(昭和48年)と記憶。まだ明石海峡大橋も無く、車で出て和歌山からは徳島へとフェリーを利用しての長駆遠征の探石行でした。深夜発のフェリーで行き、翌早朝に徳島に着き、そこからは海岸線を室戸岬まで一気に南下し、日中は存分に海岸で探石、夕刻発のフェリーで同じ航路で帰るという実に強行な探石で、今ではとても考えられない行動力でした。以降、同地への探石行は2度行きましたが、回を重ねる度に海岸で鉄丸石そのものを見掛けるのも少なくなり、その結果妥協の出来る佳い石を見つけるのが一層困難になりました。今でも最初に行った際に採取したこの石を含む僅か3石しか蔵していません。
近頃では、長駆遠征の探石行も体力的に無理で、独り静かに比較的近い京都市内・十条辺りの鴨川や減水時の瀬田川、それに宇治川での彷徨を楽しんでいます。
常に愛用のオレンジ色のリュックを背負っておりますので、川原で見掛けていただいた際はお声を掛けてくださいませ。
ありがとうございました。
次回もご笑覧賜れば幸いです。


