古谷石(ふるやいし)の産地は和歌山県田辺市。田辺市の中央を流れる会津川に、右会津川と左会津川が合流する。その右会津川の上流の山中が古谷石の産地で、稀に川に流石することがあるという。
W17・H15・D7 ㎝
江戸時代後半、古谷石はその見事さ故に、紀伊田辺藩は石番を置いて一般の者が採取する事を禁じる「御止め石」とした。その禁が解かれたのは明治10年になってからである。
泥岩質の表皮に覆われた原石を、ワイヤーブラシや木綿針等を使い、時間を懸けて丹念に除去すると一際緻密硬質な石芯部分が現れる。
解禁当時の明治時代には、家の周りの塀や石垣に使われることもあり、現在でも残す家があるそうだ。最近は付近の渓谷に採取禁止の立て札が立てられ、山を所有している人が採取する程度で、その数は年々減少している。(注)以上【月刊・愛石・令和4年6月号より一部文章を転載。】
呼鳥門(こちょうもん)
福井県越前海岸の名勝
原石を覆う泥岩質表皮の除去作業中この石を眺めながら、随分前に福井県越前海岸をドライブした時の風景の一コマを思い出し、思わずほくそ笑みました。
ありがとうございました。
次回もご笑覧賜れば幸いです。